コーナン商事(7516.jp)4Q 純利益48.2%増の通期予想も、株価は伸び悩み

近畿圏にドミナント出店しているホームセンター大手であるコーナン商事(7516.jp)の決算短信が出ました。平成30年2月期の純利益は48.2%増と、大きく伸ばす計画です。ところが株価は大幅増益の見込みの割には伸びていません。実はコーナン商事は歴史的に店舗閉鎖損失及び減損損失等特別損失が多く、利益計画は話半分に聞くべきです。

平成29年2月期決算短信

平成29年2月期の結果と新年度予想

コーナン商事(7516.jp)の平成30年2月期の純利益は48.2%増という大幅増を見込んでいます。一方で平成29年2月期は、3Q時点で出されていた予想と比べて物足りず、営業収益/営業利益/経常利益/当期純利益はいずれも下方に着地しました。

画像:平成29年2月期決算短信(コーナン商事)

利益計画の信憑性は低め

コーナン商事は歴史的に店舗閉鎖損失及び減損損失等特別損失が多く、純利益の経常利益に対する比率は毎年のように小さくなっています。つまり利益計画の信憑性は低めですので、話半分に聞くべきです。実際、つい3ヶ月前に下方修正を出したばかりです。

株価推移

株価は決算翌日こそ大幅上昇したものの、翌々日には下落しました。

画像:コーナン商事(株) Yahoo!ファイナンス 2017/4/13

主力株:投資判断は?

コーナン商事(7516.jp)は私の主力銘柄(時価総額7位)です。上記のように、保有にやや不安な箇所があるものの、依然として株価は割安水準だと考え、株式保有は継続します。

イラク戦争(2003年)開戦前後の米ドル/円 為替チャート

イラク戦争開戦時の米ドル/円 為替チャートを作成しました。

イラク戦争は、アメリカ合衆国が主体のイラクへの侵攻で、2003年3月20日に開戦しました。

イラク侵攻直後

下図は、イラク侵攻直後の米ドル/円為替チャートです。為替は開戦後、一時的にドル高に振れた後に、安定しました。

開戦は織り込み済で、為替への影響は小

侵攻前日の2003年3月19日の為替レートは1ドル120.43円でしたが、イラク侵攻開始後に米ドルが買われ、3月21日には1ドル121.87円をつける場面もありました。開戦は既に為替相場に織り込み済であり、開戦直後は材料出尽くしから米ドルが買われた様子です。

その後もイラク戦争は米ドル/円為替相場に大きな影響を与える事なく、為替は安定して推移しました。

イラク侵攻前後

下図は時間軸を広げた、イラク侵攻前後の米ドル/円為替チャートです。

開戦前に米ドルは売られていた

イラク侵攻後の為替は安定していました。むしろ開戦前の方が、米ドルは売られた様子です。例えば2002年12月5日には1ドル125.68円をつける場面があり、きな臭くなるに従いリスクオフが進み、米国からマネーが逃げて、ドル安が進んだ様子が分かります。

ドバイG7共同声明によりドル安・円高へ

その後、為替相場は、しばらく安定していたものの、2003年9月20日を境目として円高方向へ振れる事になりました。この日ドバイG7共同声明が発表され、米国のドル安志向が示唆された事でドル安・円高が進行しました。

関連:イラク戦争と株価

米国株は上昇へ

イラク戦争開戦により、軍事産業が盛んな米国の株価は上昇しました。

日本株も米景気回復を受けて上昇へ

米国の好景気を受け、日本の日経平均株価も1ヵ月遅れて上昇を始めました。

イラク戦争(2003年)開戦前後の日経平均株価チャート

イラク戦争開戦時の日経平均株価チャートを作成しました。

イラク戦争は、アメリカ合衆国が主体のイラクへの侵攻で、2003年3月20日に開戦しました。

イラク戦争前後の日経平均株価チャート

下図は開戦前後の日経平均株価チャートです。

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開戦前の状況

かつて2000年のインターネットバブルの時期に、日経平均株価は2万円台に乗っていましたが、イラク戦争開戦前はバブルは崩壊後暫く経っており、日経平均株価は8,000円を割る状態でした。イラク戦争開戦前は、戦争が始まれば米国経済へ悪影響があるとの考えから、株は更なる売りを浴びていました。

開戦後の状況

開戦後は一転、悪材料出尽くしの買いが入りました。それに加えて軍事産業が盛んな米国は、この侵略戦争によって経済活動が活発になり、ダウ平均株価は上昇を始めていました。

その後、米国の好況は日本にも波及しました。日本ではソニーショックでの株価下落を大底として、以降の日経平均株価上昇基調に入りました。

イラク戦争(2003年)開戦前後のダウ平均株価チャート

イラク戦争は、アメリカ合衆国が主体のイラクへの侵攻で、2003年3月20日に開戦しました。下図はその前後のダウ平均株価チャートです。


2000年のドットコムバブル(インターネットバブル)崩壊の影響で下落基調であったダウ平均株価は、イラク戦争開戦後に回復を始めました。なぜなら米国は世界で最も軍事産業が盛んですので、侵略戦争によって米国の経済活動が活発になったからです。迷惑な国ですね。

とは言え、米国の回復は世界にも波及しました。日本でも2003年4月28日(ソニーショックの翌営業日)を大底として日経平均株価は上昇局面に入りました。

その後、加熱した投資マネーは住宅価格を上昇させ、サブプライム危機の原因として知られる米不動産バブル(2006年中盤頃ピーク)を形成して行く事になりました。

現状維持バイアス(status quo bias) 不利な契約を継続してしまうのは何故か?

現状維持バイアス(status quo bias)とは、未知・未体験のものを避けて、現状維持をしようとする心理効果です。この心理効果は不利な契約を継続してしまう原因や、相場環境に合わない投資手法・ポートフォリオを維持してしまう原因になります。

現状維持バイアスとは?

心理効果の概要

現状維持バイアス(status quo bias)とは、未知・未体験のものを避けて、現状維持をしようとする心理効果です。

言い換えれば、「何もしないことを好む」または「以前の決断に従う」心理効果と事もできます。もちろん変化には手間や費用がかかるものです。とはいえ、その手間・費用が小さく、変化による良い影響が大きい場合でも、現状維持バイアスによって現状維持をしてしまうものです。

現状維持バイアスの原因

現状維持バイアスは、心理学的に説明されます。

以前に自分で行った決断に対して、現状ではその決断は望ましいものでは無くなっていた場合に、認知的不協和(cognitive dissonance)が発生します。この不快感は現状を見ない事で解決しますので、「何もしない」事を決定する一因になります。

また、現状を変えようと行動し失敗すれば後悔すると予想されますが、後悔回避(regret aversion)の心理効果により、現状を維持しようとしてしまいます。その他、埋没費用(sunk cost)が意識され、変更できずに現状維持してしまう事もあります。

現状維持バイアスによる弊害

現状維持バイアスは、各種プランの選択や資産運用へ少なからず影響します。

高い携帯電話代・電気代

格安スマホが提供されつつある現在も、依然として通信大手(NTT・KDDI・ソフトバンク)の高い携帯電話代金を支払い続ける人は少なくありません。この原因の一つは現状維持バイアスです。一旦契約した携帯電話は、解約するのも面倒ですので、思わず現状維持してしまいます。

通信大手が学割を充実させているのは、学生のためではありません。自社の利益のためです。囲い込んだ学生は、解約しなければ将来に渡り安定したキャッシュ・フローを生み出します。

また、電力自由化にもかかわらず、割高な大手電力会社10社(東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力)との契約を継続する家計は少なくありません。これも現状維持バイアスによるものです。

資産運用と現状維持バイアス

資産運用では、現状維持を続けるのではなく、必要ならば変更・修正を行うべきです。

たとえ現時点でうまくいっている投資手法・ポートフォリオでも、それに固執し変化を避けていれば、そのうちうまく行かなくなります。投資環境は時々刻々と変化するためです。

必要であれば積極的に、新しいものを取り入れる姿勢は大切です。定期的に「アセット・アロケーションは適切か?」「より有利な条件で代替できる銘柄、金融商品は無いか?」「運用手法は現在でも非有効なのか?」等を点検すべきです。

関連

現状維持バイアスは、1988年に医療保険(health plan)や退職金・年金(retirement programs)の研究により、存在が指摘されました。

概要:Status quo bias(behavioraleconomics.com)