長期投資でリスクは減らない リスクはどう経時変化するか?何故「リスクが減る」という主張に騙されるのか?

長期投資でリスクが低減するという金融商品のセールストークがありますが、それは誤りです。運用期間が長くなるにしたがって、リスクは増える性質があります。

リスクがどのように増えるのかを、乱数シミュレーションによる動画を用いて説明します。

リスクとは?

資産運用の用語としてのリスクは、値動きの大きさを意味します。

例えばハイリスクな金融商品とは、大きく値上がりする可能性がある反面、大きく下落する可能性もある金融商品を指します。リスクは必ずしも価格下落の可能性を示す単語ではなく、値動きの大きさを示す指標として利用されます。

リスクはリターン分布の標準偏差で定量的に評価されます。多くの場合、リターン分布は過去の実績から取得します。そして今後もそのような値動きをするだろうと仮定し、将来の値動きの大きさの程度を推定する事になります。

リスク資産の長期保有シミュレーション

金融商品のパラメータ

シミュレーションでは、年間のリスクが20%、平均リターンが4%の金融商品を考えます。このリスク・リターンは、比較的強気な投資家が日本株の値動き特性として期待する値です。

この年間リスク・リターンは、四半期ではリスクは10%程度、リターンは1%程度に相当します。四半期ごとに値動きを観測し、4年間経過するまでのリターン分布を作成しました。

リターン分布の経時変化

動画は2種類です。上図は縦軸一定にした分布の広がり方を確認するため、下図は縦軸を調整しながら分布そのものの様子の詳細を確認するための資料です。横軸はリターンです。

最初の四半期でリターン分布は10%程度の広がりを持ち、時間の経過とともにリターン分布が拡大する様子を確認できます。下図右上のパラメータのmeanはリターンの平均値、RMSはroot mean squareの略で確率変数を二乗した値の平均値の平方根です。このRMSを資産運用におけるリスク値と考えて構いません。

リスクは増え続ける

シミュレーションから明らかなように、時間が経つにしたがってリターン分布は広がり続けます。RMSの値も一方的に大きくなります。長期投資では、リスクは拡大するのです。

時間が経つにつれ、相場が良い時は、増えた資産を元手にもっと多くの利益が出ます。逆に下落相場では資産が毀損し、将来の上昇相場のリターンの元手を失う事で損失が拡大します。このようなメカニズムで、リターン分布は時間とともに広がり続け、リスクは増大し続けます。長期投資でリスクが減る事はありません。

平均リターンがたとえプラスでも、多くの投資家は儲けられない

シミュレーションは、金融商品の平均リターンがプラスといえど、多くの投資家が損をする事がある事を示しています。時間推移を見れば、meanの値は確かに増え続けています。にもかからず、(4倍以上に資産を増やす可能性がある一方で、)資産を減らすパターンが多く散見されます。

長期的なリターンは、リターンの平均値に近づくという主張がありますが、これは誤りです。負けている投資家は負け続けます。多くの投資家は負けて元本を失い、平均値に戻れなくなくなります。この性質は逆正弦定理という名前で広く知られています。

「長期投資でリスクが減る」という主張は何が間違っているか

ここまで読めば、長期投資でリスクが減らない事は明らかでしょう。では世間一般の「長期投資でリスクが減る」という主張は何が誤りなのでしょうか。

多くの場合、それらの誤った主張は「1年あたりのリスク」を提示します。「1年あたりのリスク」は「リスク」とは異なる概念です。そして長期投資家の興味は、長期運用におけるリスクであり、リターンである事を考慮すれば、「1年あたりのリスク」は立たない、無意味な指標です。にもかかわらず、結論部分の「長期投資で報われる」という甘言は魅力的ですので、長期投資でリスクが減るという考えは誤りにもかかわらず、広く支持されています。

シミュレーションのソースコード

私個人の覚書を兼ね、コードを掲載しておきます。ROOTのgRandom->Gaus関数で乱数生成し、coutで取得、PAWマクロでプロットしました。

気質効果(disposition effect) 多くの投資家が利益確定で上昇トレンドを逃し、損切りの遅れで傷口を広げるのは何故か?

気質効果(disposition effect)は投資家の手仕舞いの傾向に関する心理効果です。

個人投資家は買値から値上がりした株を売り、値下がりした株を持ち続ける傾向があります。この傾向は心理効果によるもので、気質効果と呼ばれています。

細かい利確を繰り返せば、利益を得る喜びを何度も味わえます。損切りを一度にまとめれば、損失を出してしまった苦しみを味わう時間が減ります。ただし相場にはある程度のトレンドがあるため、気質効果に従った取引は、累積していけば損失に結びつきやすくなります。そのため、気質効果は投資家の運用成績を悪化させる要因として知られています。気質効果は注意すべき心理効果の1つです。

気質効果が起こる理由

気質効果がどのように引き起こされるのかは、効用関数の特徴から説明する事ができます。

効用関数について

まずは効用関数について紹介します。

効用関数の概要

資産運用では、x の利益を得られる嬉しさを数値化した関数 U(x) を効用関数と呼びます。

効用関数の概形

効用関数の概形は下図のようになっています。

横軸 x が得た利益で、縦軸 U(x) が効用(嬉しさ)です。

利益は多ければ多いほど良いです。このため関数は単調増加をしています。ところが関数は単純に利益や損失に比例はせず、利益や損失が大きくなった所で傾きが緩やかに変化します。この現象は、限界効用逓減の法則と呼ばれます。

限界効用逓減の法則により、既に利益が大きい時は、追加利益に対する感覚は薄れます。損失側も同様に、損失額が大きくなると、感覚が麻痺してきて、損失額に比例する程は心理的負担がかからなくなります。

効用関数と気質効果

不要な利益確定・分配金の受け取りをしてしまう理由

複数回の利益確定は、まとめて利益確定するよりも効用を大きくします。

例えば、2x の利益を1回得る場合と x の利益を2回得る場合とを比べます。この2つの場合の利益の総額は同じです。ところが、その効用は、関数が上に凸である事から

U(2x) < 2 U(x)  (0<x

となります。2回に分けて利益を得た方(右辺の方)が、投資家は嬉しくなるわけです。概して投資家は、細かく利益を確定したり、分配金を受け取る方が心理的に満足します。ただし細かな利益確定や頻繁な分配金の受け取りは、上昇トレンドに逆らう事による機会損失や、売買手数料・配当課税の増加に繋がりやすく、投資家のリターンを引き下げる要因になります。

このため、利益確定や分配金の受け取りには十分な注意が必要です。

損切りが遅れる理由・投げ売りをしてしまう理由

まとめて損切りする事は、複数回の細かな損切りよりも効用を大きくします。

例えば、2x の損失確定を1回行う場合と x の損失確定を2回行う場合とを比べます。損失の総額は同じです。ところが、その効用は、関数が下に凸である事から

2U(x) < U(2x)  (x<0

となります。損失確定は1回にまとめた方(右辺の方)が、マイナスの効用の絶対値が小さく、つまり心理的負担が軽くなります。より一般的に、細かく損切りするよりも、まとめて損切りをする方が心理的な負担が小さく済みます。

この性質は、損切りの遅れや投げ売りを誘発し、投資家のリターンを引き下げる事があるため、注意が必要です。

気質効果を実験により検証した例

下記の論文は、被験者を集め危機回避度と気質効果の発現を分析し、プロスペクト理論における損失回避が気質効果の原因の一つであることを示しています。

気質効果と損失回避:模擬株式市場における取引実験による実証

利益確定は投資家としてのプライドが満たされます。損切りは間違いを認める事になり難しくなります。気質効果により、投資家は「上昇銘柄を細かく利確」をし、「下落銘柄はまとめて損切り」をしてしまいやすくなります。

気質効果により損をする投資家

多くの投資家は、直接的または間接的に気質効果による悪影響を受けます。

素人の個人投資家

素人の個人投資家は、気質効果によって上がった銘柄を売り、下がった銘柄を持ち続けます。こうして素人の個人投資家は、利益確定によって上昇トレンドを逃し、損切りの遅れによって下降トレンドを被弾します。

素人投資家は銘柄選定が下手くそで負けるわけではなく(勿論それも一因ではあるでしょうが)、主に利確で上昇トレンドを逃す事で負けるのです。

インデックス投資家

インデックス投資家が享受する市場平均リターンとは、全ての市場参加者の平均です。市場にいる気質効果に翻弄される間抜けな投資家は、インデックス投資家のリターンを引き下げます。

ドル・コスト平均法で積み立てる投資家

気質効果が利益確定を誘発するため、株価上昇はゆっくりと進み、株価下落は一気に進行します。登り百日、下げ十日という投資格言がある程です。

その結果、ドル・コスト平均法で積み立てる投資家は、高値圏で積み立てを行う可能性が高くなります。そしてコツコツ積み立てた資産がドカンと下落する事になるわけですが、この背景には、気質効果に煽られる多くの投資家の姿があります。

登り百日、下げ十日

まとめ

個人投資家は買値から値上がりした株を売り、値下がりした株を持ち続ける傾向があります。この傾向は心理効果によるもので、気質効果と呼ばれています。

気質効果は効用関数の特性から説明する事ができます。

複数回の利益確定は、まとめて利益確定するよりも効用が大きくなります。そのため投資家は頻繁に利益確定をしてしまいがちです。ところが頻繁な利益確定は上昇トレンドを逃し、売買手数料の支払いが多くなるため、投資パフォーマンスを低下させる原因となります。

また、まとめて損切りする事は、複数回の細かな損切りよりも心理的負担が少なくて済みます。そのため投資家は損切りが遅れ、結果として損失が拡大、最後は投げ売りをしてしまいます。

気質効果は、投資家が十分警戒すべき重要な心理効果の1つです。

ドル・コスト平均法 定額購入・積立投資で知っておくべきポイントは?

ドル・コスト平均法(英: dollar cost averaging)は、株式や投資信託などの金融商品の購入手法の一つで、等金額での買い付け(すなわち定額購入)を繰り返す事を指します。

リスク資産を一定額ずつ買い付ける場合、高値にある時は少ない株数(口数)を買い、安値にある時は多くの株数(口数)を買う事になります。

安値で多くの株数(口数)を買い集める手法であり、この定額購入(ドル・コスト平均法)は定量購入(等株数投資や等口数投資)と比較して、平均取得価格を低く抑える効果があります。

この記事ではドル・コスト平均法について、投資家が知っておくべきポイントをまとめます。

ドル・コスト平均法

ドル・コスト平均法は、等金額での買い付け(定額購入)を意味します。

ドル・コスト平均法を採用する大多数の投資家は、毎月一定額の金融商品を積み立てます。毎日買い付ける投資家や、年1度だけ買い付ける投資家は少数派だと言えます。

定額購入では、支払い額(コスト)が一定になるため、コスト平均法と名付けれられています。「ドル」は通貨であるドルを指しますが、一定の金額を「円貨」で買い付け支払ったとしても「円・コスト平均法」ではなく「ドル・コスト平均法」と呼ぶのが慣例です。

平均取得価格が低く抑えられる例

ドル・コスト平均法では、等口数投資と比べて平均取得価格を低く抑えられます。

例えば下図は、投信自動積立(三井住友銀行)でのシミュレーションで、ドルコスト平均法で平均取得価格が抑えられる例です。

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基準価額が10,000円→6,000円→17,000円→7,000円と推移した時、ドル・コスト平均法で3万円ずつ投資すれば、平均取得価額は8,541円ですが、一方で3万口ずつの投資では、平均取得価額は10,000円です。

この例では、ドル・コスト平均法による買い付けの方が平均取得価額が1,459円も安い水準になりました。

ドル・コスト平均法を数式で扱う

数式は、ドル・コスト平均法についての理解を深めます。この項目は、説明のために数式を利用していますが、数式を読み飛ばして日本語だけ読んだとしても十分に分かる構成にしています。

各種パラメータを見る

数式で、ドル・コスト平均法の支払額や含み損益を始めとするパラメータを確認します。

各種パラメータ

ドル・コスト平均法を利用し、時間 t (t=1,2,3, ... ,n) で、基準価額が a(t) (円/口)の証券を c 円ずつ購入する事を考えます。

この時、各種パラメータは下記の通りとなります。

項目 備考
支払い金額 nc 積み立て回数nに比例して増加
取得した口数 \Sigma \dfrac{c}{a(t)} 安値圏(a(t)が小さい局面)に、口数は大きく増加
時価 \Sigma \dfrac{c}{a(t)}a(n) 現在の基準価額(a(n))に比例する
含み損益 \Sigma \dfrac{a(n)-a(t)}{a(t)}c 後述(ドル・コスト平均法で利益を増やすためには?)

ドル・コスト平均法で利益を増やすためには?

数式は、ドル・コスト平均法で利益を増やす手法を語っています。利益を増やす方法は3種類です。

1つ目は積立額を増やす事(cを増やす事)です。プラスリターンの資産を積み立てている前提では、含み損益は積み立て額に比例します。

2つ目は回数を増やす事(nを増やす事)です。長期間での積み立ては、利益額を増やします。

3つ目は有利な金融商品を買う事(\frac{a(n)}{a(t)} を大きくする事)です。高リターンの金融商品は、ドル・コスト平均法による投資成果を向上させます。積み立てている金融商品が有利かどうかは、よく点検すべきです。

積み立てた資産のリスク

ドル・コスト平均法で積み立てていると、投資金額が投資期間に比例して大きくなります。

投資金額が徐々に大きくなれば、資産額の値動きの大きさ(リスク)も大きくなります。そしていつの間にか投資家のリスク許容度を超える可能性があります。

そうならないように、ドル・コスト平均法で積み立てをしていたとしても、毎月の支払い金額のみに注目せず、資産全体の時価にも注目する事が大切です。

ドル・コスト平均法と定量購入との比較

ドル・コスト平均法と定量買い付けを比較すれば、平均取得価額の点では、ドル・コスト平均法が有利です。

各手法の平均取得価額

ドル・コスト平均法と定量購入の平均取得価格を算出します。積み立て資産の、時間 t における基準価額を a(t) として計算します。

項目 ドル・コスト平均法(定額購入) 定量購入(等株数投資や等口数投資)
買い方 月々 c 円ずつ n 回だけ積み立てる 月々 m 口ずつ n 回だけ積み立てる
支払い額 cn \Sigma a(t)m
取得口数 \Sigma \dfrac{c}{a(t)} mn
平均取得価額
(支払額÷取得口数)
\dfrac{cn}{\Sigma \dfrac{c}{a(t)}}=\dfrac{n}{\Sigma \dfrac{1}{a(t)}} …① \Sigma \dfrac{a(t)m}{mn}=\Sigma \dfrac{a(t)}{n} …②

ドル・コスト平均法と定量積み立てとの平均取得価額の比較

平均取得価額の観点において、ドル・コスト平均法が定量買い付けよりも有利である事を示します。

比較では、相加平均≧相乗平均 を使い、①≦②を示します。


 = \dfrac{1}{\dfrac{1}{n} \Sigma \dfrac{1}{a(t)}} \le \dfrac{1}{(\Pi \dfrac{1}{a(t)})^{\frac{1}{n}}} ←相加平均≧相乗平均 を分母で利用
= (\Pi a(t))^{\frac{1}{n}} \le \Sigma \dfrac{a(t)}{n} ←相加平均≧相乗平均
=

①≦②が言えました。

ドル・コスト平均法の平均取得価額は、定量買い付けの平均取得価額よりも「低い」もしくは「同じ」になります。そして平均取得価額が低いと、勝率が上がります。ドル・コスト平均法は定量積み立てよりも、勝ちやすい(勝率が高い)無難な投資手法だと言えます。

ドル・コスト平均法は、一方的な相場では不利

上記のドル・コスト平均法と定量買い付けとの比較で注意すべきは、平均取得価額にしか注目していない点です。現実の運用において投資成果・利益は、投資金額だけではなく、最終的な受け取り金額で決まります。そのため、平均取得価額のみへの注目は片手落ちです。

事実として例えば右肩上がり相場では、ドル・コスト平均法よりも等口数投資の方が有利な投資成果を獲得できます。なぜならドル・コスト平均法で買い付け金額を一定にするよりも、口数を一定にして投資金額を増やして行った方が、支払額こそ増えますがそれ以上に値上がり益を大きく享受できるために、有利になるわけです。

右肩下がりの相場でも、ドル・コスト平均法は傷口を広げやすい不利な手法へと変化します。

このように、一方的な相場ではドル・コスト平均法は不利になります。

ドル・コスト平均法のシミュレーション

ドル・コスト平均法の特性を考えるため、日経平均株価を毎月1万円ずつ買い付けた場合のシミュレーションを作成しました。1970年1月から2016年10月にかけての期間のバックテストです。

dc-ave-n225

横軸は積み立て開始時期です。

青線が各月の買い付け価格(=日経平均株価の月の始値/スケールは左軸)、赤線が積み立て開始時期別の平均取得価額(スケールは左軸)です。緑線が積み立て開始時期別の損益(スケールは右軸)です。

平均取得価額の動向

平均取得価額は、まるで現在の価格に引っ張られているかのように上下しています。ドル・コスト平均法を利用した際、積み立て資産の価格が安くなれば平均取得価額も下がり、高くなれば平均取得価額も上がります。時価で新規購入した分が、今までの積み立て分に加えられるために、平均取得価格は時価に近づく方向に動くのです。

また、動画からは投資時間が長くなるにつれて、平均取得価額が動きにくくなっていく様子も分かります。積み立て時間が長くなるにつれて、新規購入額が今までの積み立て資産の総額に比べて小さな比率となるために、平均取得価格は動きにくくなってきます。

損益の動向

積み立ての時間が長くなれば損益が大きく動く

現在の時価に対する損益の感応度は、積み立て時間が長くなればなるほど高くなります。つまり、積み立て投資を続けた場合、ハイリスクの状態になります。上記動画でも、積み立て開始時期が早ければ早いほど損益が大きく動くようになる様子を確認できます。

バブル序盤の積み立て開始が最も高値掴みになる

また、バブル相場のピークで積み立てを開始した人よりも、バブル相場の頭(序盤)で積み立てを開始した人の方が、高値掴みの額が大きくなり、損失が拡大しやすい傾向が分かります。バブル崩壊時に積み立てを開始すれば、比較的すぐに平均取得価格が下がりますが、バブル形成時での積み立て開始は、長らく高値で積み立てる事になり、バブル崩壊の影響を大きく受ける事になります。

積み立て投資では、バブルの崩壊時よりもバブル形成時の方が裏目に出るわけです。逆にこの事は、投資を開始するベストなタイミングを教えてくれます。資産運用を開始するにあたり、最も有利な時期は「不況の始まり」です。

ドル・コスト平均法に関連する投資手法

定量売却

定量売却は、一定の株数・口数ずつ売却する方法です。

定量売却を行えば、高値では多くの金額を受け取り、安値では少額を受け取る事になります。そのため、定額売却よりも平均売却金額の点で有利です。

ドル・コスト平均法が買いのテクニックであれば、定量売却は売りのテクニックです。

購入時は、定額購入(ドル・コスト平均法)は定量購入よりも平均取得価額が低いですが、その逆に売却時では、定量売却は定額売却よりも平均売却価格が高くなりやすいです。

ただし、定量売却で必ず平均売却価格が高くなるとは限りません。売却期間が異なる場合があり、値動きによっては定額売却の方が良いパターンも出てきます。

金買口売法

ドル・コスト平均法と定量売却を同時に行う方法です。

例えば3万円買って2万口を売却するという設定をするならば、3万円と2万口の差分を買い付ける事になります。

この手法では、ドル・コスト平均法の平均取得価額を低く抑える効果と、定量売却の高値で売れる効果の両方を享受できます。

逆張り性向が強くなりますので、勝率が上がります。その一方で、右肩上がり相場では積立額が一方的に減って行くために、機会損失に繋がります。

変則型ドル・コスト平均法

定額投資をベースにしつつ、場合によって積み立て額を変化させる方法です。

特に含み損時に追加で購入を行う事を指します。含み損時に追加購入すれば、平均取得価額が下がりやすくなるため、通常のドル・コスト平均法と比べて勝率が上がります。

ドル・バリュー平均法

ドル・バリュー平均法は、リスク資産が値上がりした際は少なめに買うか売却をし、値下がりした際は多く買う買い付け手法です。リスク資産額を一定の水準に保ちます。(この水準はバリューパスと呼ばれます。)

ドル・コスト平均法と比べ、逆張り性向が強くなりますので、勝率が上がります。

まとめ

ドル・コスト平均法は、株式や投資信託などの金融商品の購入手法の一つで、等金額での買い付け(すなわち定額購入)を繰り返す事を指します。安値で多くの株数(口数)を買い集める手法であり、この定額購入(ドル・コスト平均法)は定量購入(等株数投資や等口数投資)と比較して、平均取得価格を低く抑える効果があります。

ドル・コスト平均法は勝率が高い方法ではありますが、一方的な相場では不利になりやすい投資手法です。例えば右肩上がり相場では機会損失に繋がり、十分なリターンを享受できない事があります。右肩下がりの相場でも、傷口を広げやすくなります。

ドル・コスト平均法によるリターンを増やすには、「積み立て額を増やす」「積み立て回数を増やす」「有利な金融商品を買う」の3種類の方法があります。ただ、積み立てを続けた場合は資産の値動きが大きくなりますので、注意が必要です。

プロフィール 当サイト著者Kapokの自己紹介

当サイト「経済&マネー」のコンテンツを投稿している、私Kapokのプロフィールです。

著者の属性

ライフステージや周辺環境により、最適な資産運用の方法は変わります。下記の一覧は、サイト著者Kapokの属性です。

項目 属性 備考
生年(西暦) 1986年 資産形成を行う世代です。
出身地 山口県 瀬戸内の温暖な気候で育ちました。
性別 男性
文理 理系 理学系研究科出身
家族構成 独身 一人暮らし お嫁さん募集中
棲家 賃貸(@東京都) 現在、不動産物件の購入予定はありません。古い所に住みたくないので、新し目(築30年未満)の賃貸物件を転々としたいと考えています。

著者の資産運用

投資歴

下記は、私の投資家としての履歴です。

年月 投資歴 備考
2007年12月 学生投資家として資産運用を開始 当時大学4年生。貯金100万円程度と父親からもらった30万円を元手に、学生投資家として活動を開始しました。
2008年中旬 ウォール街のランダム・ウォーカーを読む 重要な古典的投資教本を一読しました。
2008年9月 リーマン・ショックを経験 不況の相場と、含み損の拡大が続く局面を知りました。
2010年4月 社会人投資家として資産運用を継続 就職氷河期の中で就職し、サラリーマンになりました。
2012年3月 ケリー基準を知る 重要な資産管理の理論を学びました。
2012年12月〜 アベノミクスバブルを経験 どこまでも株価が上がっていく好況相場を知りました。結果、景気のサイクルの1周を経験した事になりました。

投資手法

私の運用手法です。

項目 内容 備考
投資対象 株式・債券・REIT・投資信託・金融派生商品等 株式個別銘柄への投資をメインに資産形成を行なっています。先物・オプションの取引や、信用売りを行う事もあります。
資金管理 複合型(裁量あり) 上昇相場ではコンスタント・ミックス型のアセット・アロケーション運用を行い、下落相場ではドル・バリュー平均法による逆張りを行います。下落後の上昇相場ではノーセルリバランスによりキャッシュを備蓄します。
ホームバイアス 強くかける(50%程度) 運用資産の50%を国内の資産で運用しています。
基本ポートフォリオ 低リスク資産30%
内需ディフェンシブ20%
リスク資産50%
低リスク資産比率は動的に変更し、不況の大底時に0%にする事を目論みます。内需ディフェンシブ株は、円高耐性によるポートフォリオ安定化のためにも重視します。
銘柄選定 ファンダメンタルズ指標の予測値と事業内容を重視 原則としてファンダメンタルズ指標の予測値を重視して銘柄を選定します。国内株は株主優待も加味し、必要ならば積極的に売買します。一方で外国株は事業内容が外部環境に合っているかどうかを重視し、バイ&ホールドを心がけています。
参考書籍 投資家が読むべき7冊の投資教本 私が影響を受けた投資教本をまとめました。

著作物

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ペッパーフードサービス(3053.jp) いきなり!ステーキ値上げを受けて株価11.4%高

ペッパーフードサービス(3053.jp)が、いきなり!ステーキ値上げを発表しました。株式市場はこれを好感し、株価は前日比で11.4%高となりました。

いきなり!ステーキ値上げ


いきなり!ステーキ』価格変更のお知らせ

株価は高騰

値上げは好材料と考えられ、株価は11.4%も上昇しました。

値上げは利益向上が見込めますし、値上げしても顧客は離れないという自信も連想されます。更にTDnet(適時開示情報閲覧サービス)には開示されていない情報ですので、値上げの情報は他の投資家を出し抜きやすい好材料でした。


(株)ペッパーフードサービス 2017/2/17

チャートは、早めに情報を察知した投資家が買い向かった様子が良く分かる形となりました。