北朝鮮のミサイル発射を受けた、防衛関連銘柄の暴騰チャート集(2017年7月4日)

2017年9時39分、北朝鮮による弾道ミサイルが発射され、約40分間飛翔し、日本国の排他的経済水域(EEZ)内に落下しました。また、北朝鮮が午後3時半に特別重大報道を予告しました。これらのニュースにより、防衛関連銘柄・軍需銘柄に買いが入り、多数の暴騰チャートが形成されました。

この日、特に計器類や照明弾に関する軍需銘柄が買われました。一方で重工業系の軍需銘柄への反応は薄く、下落に転じる銘柄もありました。

北朝鮮ミサイルについて

ミサイル発射 9時39分

本日9時39分頃、北朝鮮西岸より、弾道ミサイルが発射され、約40分間飛翔し、我が国の排他的経済水域(EEZ)内に落下した模様です。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射について(第1報)防衛省

海上保安庁の発表 9時53分

【緊急情報】ミサイル発射情報 海上保安庁 ※リンク切れ

官房長官記者会見 10時30分前

午前10時半前に、官房長官により記者会見が行われました。

北朝鮮ミサイル 日本海の排他的経済水域に落下 官房長官 NHK NEWS WEB ※リンク切れ

北朝鮮が午後3時半に特別重大報道を予告 13時38分頃

防衛関連銘柄の暴騰チャート

通常ですと株式市場にとって北朝鮮のミサイル発射は、今更それほど注目に値しないイベントです。ところが7月4日は特別重大報道が予告された事で、防衛関連銘柄の買いに拍車がかかりました。

特に計器類や照明弾に関する銘柄が買われました。

細谷火工(株)(4274.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
4274.jp 細谷火工(株) 東証JQS +20.24% 自衛隊向け照明弾、発煙筒大手。花火の火薬技術を生かしエアバッグ用など民間分野にも展開
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(株)石川製作所(6208.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
6208.jp (株)石川製作所 東証1部 +19.60% 段ボール製函印刷機主体の機械メーカー。繊維機械で出発し防衛機器も。レンゴーが筆頭株主に
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東邦金属(株)(5781.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
5781.jp 東邦金属(株) 東証2部 +9.92% タングステン、モリブデンの複雑加工が主力。超硬合金を活用した地雷除去装置を開発。
企業特色出典: 超硬合金を活用した地雷除去装置の開発 東邦金属株式会社

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日本アビオニクス(株)(6946.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
6946.jp 日本アビオニクス(株) 東証2部 +5.60% NEC系。防衛用表示機器、音響機器大手で防衛関連約4割。民需は赤外線、接合装置が中心
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東京計器(株)(7721.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7721.jp 東京計器(株) 東証1部 +4.40% 航海・航空計器大手。防衛省向け機器のほか油空圧、流体機器等で多面展開。オーバル等と提携
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(株)重松製作所(7980.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7980.jp (株)重松製作所 東証JQS +3.43% 産業用防毒マスクのシェア高い。官公庁向けも実績。米国3Mに防毒マスクをOEM供給
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興研(株)(7963.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7963.jp 興研(株) 東証JQS +3.36% 防塵・防毒マスク2大メーカーの一つ。防衛省向け独占供給。医療・精密機器分野へ多角化
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旭精機工業(株)(6111.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
6111.jp 旭精機工業(株) 名証2部 +4.42% 銃弾類、水晶振動子用ケース主力からプレス機、ばね機械、航空機部品などに展開。輸出も強化
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参考:あまり変化がなかった軍需銘柄

重工業系の軍需銘柄には、あまり大きな買いが入りませんでした。潜水艦や航空機をすぐに増やせる程、国は機敏に動かないという思惑が働いたようです。日本無線は下げています。

三菱重工業(株)(7011.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7011.jp 三菱重工業(株) 東証1部 +0.62% 総合重機首位。火力発電所用ガスタービンはじめ、航空、防衛、造船、産業機械など事業幅広い
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川崎重工業(株)(7012.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7012.jp 川崎重工業(株) 東証1部 +0.90% 総合重機大手。旅客機分担品や鉄道車両、大型2輪などに特色。自衛隊の潜水艦、航空機も担う
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(株)IHI(7013.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
7013.jp (株)IHI 東証1部 +0.26% 総合重機大手。航空エンジン、大型ボイラー、LNG貯蔵タンク等に強い。JFEと造船事業統合
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日本無線(株)(6751.jp)

コード 銘柄 市場 前日比 企業特色
6751.jp 日本無線(株) 東証1部 -0.49% 船舶用・防衛関連、防災行政など無線機器老舗。日清紡HDが完全子会社化、9月27日上場廃止
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イラク戦争(2003年)開戦前後の日経平均株価チャート

イラク戦争開戦時の日経平均株価チャートを作成しました。

イラク戦争は、アメリカ合衆国が主体のイラクへの侵攻で、2003年3月20日に開戦しました。

イラク戦争前後の日経平均株価チャート

下図は開戦前後の日経平均株価チャートです。

iraq-war2003-n225

開戦前の状況

かつて2000年のインターネットバブルの時期に、日経平均株価は2万円台に乗っていましたが、イラク戦争開戦前はバブルは崩壊後暫く経っており、日経平均株価は8,000円を割る状態でした。イラク戦争開戦前は、戦争が始まれば米国経済へ悪影響があるとの考えから、株は更なる売りを浴びていました。

開戦後の状況

開戦後は一転、悪材料出尽くしの買いが入りました。それに加えて軍事産業が盛んな米国は、この侵略戦争によって経済活動が活発になり、ダウ平均株価は上昇を始めていました。

その後、米国の好況は日本にも波及しました。日本ではソニーショックでの株価下落を大底として、以降の日経平均株価上昇基調に入りました。

イラク戦争(2003年)開戦前後のダウ平均株価チャート

イラク戦争は、アメリカ合衆国が主体のイラクへの侵攻で、2003年3月20日に開戦しました。下図はその前後のダウ平均株価チャートです。


2000年のドットコムバブル(インターネットバブル)崩壊の影響で下落基調であったダウ平均株価は、イラク戦争開戦後に回復を始めました。なぜなら米国は世界で最も軍事産業が盛んですので、侵略戦争によって米国の経済活動が活発になったからです。迷惑な国ですね。

とは言え、米国の回復は世界にも波及しました。日本でも2003年4月28日(ソニーショックの翌営業日)を大底として日経平均株価は上昇局面に入りました。

その後、加熱した投資マネーは住宅価格を上昇させ、サブプライム危機の原因として知られる米不動産バブル(2006年中盤頃ピーク)を形成して行く事になりました。

911アメリカ同時多発テロ事件前後のダウ平均株価推移

2001年9月11日にアメリカ合衆国内で、航空機等を用いた4つのテロ事件が、同時多発的に発生しました。この事件は、「アメリカ同時多発テロ事件」や「9・11テロ」等と呼ばれます。

この事件後のダウ平均株価チャートを作成しました。



作成したチャートの元データは株価データ倉庫から取得しました。

テロが起きたのは9月11日の朝で、アメリカ合衆国での取引が始まる前の時間帯でした。多くの金融機関が入居する貿易センタービルで起きた事件ということもあり、テロ事件以降アメリカ合衆国国内の取引は中止され、次に市場が開いたのは9月17日となりました。

9月17日のダウ平均株価は、前日比-684.8ドル安(-7.13%安)の8920.7ドルで引けました。その後も下落を続け、9月21日には8,062.3ドルをつけました。これはテロ前日の9月10日の終値と比べれば、1,543.2ドル安(-16.1%)の水準です。テロ事件は明確なネガティブサプライズであり、米国株はこのように大きく売られる事になりました。

ただし9月21日を境として、その後の株価は回復基調となります。テロ事件は震災や経済危機と比べて影響が局所的であるため、落ちついた投資家が買い戻しを入れた事で株価は上昇していきました。

世界の市場も概ね似た動きとなりました。日本ではテロ事件翌日に日経平均株価が6.63%も下落しましたが、しばらく後に回復しました。

911アメリカ同時多発テロ事件前後の日経平均株価推移

2001年9月11日にアメリカ合衆国内で、航空機等を用いた4つのテロ事件が、同時多発的に発生しました。この事件は、「アメリカ同時多発テロ事件」や「9・11テロ」等と呼ばれます。

この事件後の日経平均株価チャートを作成しました。

テロはネガティブ・サプライズであるため、短期的には株価下落要因です。ただし、地震などの大規模自然災害や、世界的な金融危機とは異なり、影響が局所的です。そのため、長期的な株価への影響は軽微です。

テロ事件前後の日経平均株価チャート

チャート

下図は、2001年9月11日前後の日経平均株価チャートです。

5営業日前の2001年9月5日から、25営業日後の2001年10月19日までの範囲をプロットしました。

911September11attacks_n225

左側の一番目立つ陰線が、2001年9月12日、テロ翌日のローソク足です。

データの取得

元データは、株価データ倉庫から取得しました。

テロ事件と株価

翌日は暴落

日経平均株価は場中に下げる

テロ事件の翌日は、場中に株価が暴落しました。その結果、チャートは上図の通り大きな陰線になりました。

9・11テロ事件の翌日の日経平均株価の始値は10,140.42円で、やや安く(前日比152.53円安)始まりました。そしてその後、日経平均株価は下げ幅を広げ、始値から530.32円下げた9610.10円で引けました。場中に5.52%下げた事になります。

前日比では682.85円安、6.63%の下げです。

テロ事件はネガティブサプライズで株価下落要因

テロ事件は明確なネガティブサプライズであり、短期的には株価下落要因です。

もし戦争・紛争に発展すれば、テロが起こった国の経済に悪影響が出ます。それは日本経済に波及するかもしれません。

このように、世界の治安悪化が警戒された結果、米国のテロ事件によって日経平均株価は大きく下落しました。

事件後の日経平均株価

乱高下し、回復

テロ事件後、株価は乱高下した後に回復しました。

日経平均株価暴落の翌々日の2001年9月14日に、前日比395.8円高(+4.12%)になりました。その後2001年10月11日には、日経平均株価は10347.01円を付け、テロ事件前(2001年9月11日終値)を上回りました。

テロ事件のファンダメンタルズへの影響は少ない

結果的に、911テロの株価への影響は軽微に終わりました。

一般的に、大震災を始めとする大規模な自然災害や、破滅的な経済危機と比較して、テロ事件は局所的な事件です。そのため、経済・ファンダメンタルズへの影響の規模が小さいと言えます。結果として、テロ事件の長期的な株価への影響は軽微である傾向があります。

各種資料

911テロ事件の様子

事件の背景はwikipediaが詳しく、写真資料はNAVERまとめに掲載があります。

911テロ事件前後の米ドル/円為替

テロ事件の米国経済への影響が懸念され、米ドルは売られ、為替はドル安・円高となりました。事件前は1ドル121円でしたが、その後9月20日には116円をつけるまで円高が進行しました。9月20日以降は、影響は限定的との見方が広がり、米ドルは買い戻される事になりました。

911テロ事件の米国政策への影響

テロ事件前、世界経済は2000年のドットコムバブル(インターネットバブル)が崩壊した影響で、苦しい状況でした。当時の米大統領のジョージ・W・ブッシュ(共和党)の人気も低迷していました。

ところが911テロ事件が起こり、状況が一変します。テロは米国人の正義感を煽り、ブッシュ大統領の支持率が急回復します。その後米国は2001年10月7日にはアフガニスタン侵攻を開始、2003年3月20日にはイラク侵攻を始めました。

軍事産業が盛んな米国企業は、これらの侵略戦争により潤いました。加熱した投資マネーは住宅価格を上昇させ、サブプライム危機の原因として知られる米不動産バブル(2006年中盤頃ピーク)を形成しました。