バフェットのポートフォリオ(2016年12月)

ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)のポートフォリオをメモしておきます。

バフェットは長期投資家として知られていますが、実はバフェットのポートフォリオの構成銘柄や比率は大きく変化します。また、バフェットの一挙一動は関連銘柄の株価に影響します。そのため投資家は時々、バフェットのポートフォリオを確認する必要があります。

バフェットのポートフォリオ

下記のポートフォリオ2016年12月時点のものです。

構成銘柄が10%を超える集中投資銘柄が3銘柄もあります。一方で下位銘柄の保有比率は低く、47銘柄中の30銘柄は構成比率が1%に届きません。これらは事実上のウォッチリスト銘柄と言えるでしょう。

画像出典:ウォーレン・バフェット(ibillionaire)

バフェットの成績

伝説的パフォーマンスで知られるバフェットですが、近年の投資成績は良くはありません。例えば2016年はS&P500が12.0%増に対して、バフェットが率いるバークシャーは10.7%増です。2008年リーマン・ショック以降2016年までの間、バフェットがS&P500に負けた年は2009年,2010年,2012年,2013年,2014年,2016年です。3勝6敗で、結構負けています。

長期投資でリスクは減らない リスクはどう経時変化するか?何故「リスクが減る」という主張に騙されるのか?

長期投資でリスクが低減するという金融商品のセールストークがありますが、それは誤りです。運用期間が長くなるにしたがって、リスクは増える性質があります。

リスクがどのように増えるのかを、乱数シミュレーションによる動画を用いて説明します。

リスクとは?

資産運用の用語としてのリスクは、値動きの大きさを意味します。

例えばハイリスクな金融商品とは、大きく値上がりする可能性がある反面、大きく下落する可能性もある金融商品を指します。リスクは必ずしも価格下落の可能性を示す単語ではなく、値動きの大きさを示す指標として利用されます。

リスクはリターン分布の標準偏差で定量的に評価されます。多くの場合、リターン分布は過去の実績から取得します。そして今後もそのような値動きをするだろうと仮定し、将来の値動きの大きさの程度を推定する事になります。

リスク資産の長期保有シミュレーション

金融商品のパラメータ

シミュレーションでは、年間のリスクが20%、平均リターンが4%の金融商品を考えます。このリスク・リターンは、比較的強気な投資家が日本株の値動き特性として期待する値です。

この年間リスク・リターンは、四半期ではリスクは10%程度、リターンは1%程度に相当します。四半期ごとに値動きを観測し、4年間経過するまでのリターン分布を作成しました。

リターン分布の経時変化

動画は2種類です。上図は縦軸一定にした分布の広がり方を確認するため、下図は縦軸を調整しながら分布そのものの様子の詳細を確認するための資料です。横軸はリターンです。

最初の四半期でリターン分布は10%程度の広がりを持ち、時間の経過とともにリターン分布が拡大する様子を確認できます。下図右上のパラメータのmeanはリターンの平均値、RMSはroot mean squareの略で確率変数を二乗した値の平均値の平方根です。このRMSを資産運用におけるリスク値と考えて構いません。

リスクは増え続ける

シミュレーションから明らかなように、時間が経つにしたがってリターン分布は広がり続けます。RMSの値も一方的に大きくなります。長期投資では、リスクは拡大するのです。

時間が経つにつれ、相場が良い時は、増えた資産を元手にもっと多くの利益が出ます。逆に下落相場では資産が毀損し、将来の上昇相場のリターンの元手を失う事で損失が拡大します。このようなメカニズムで、リターン分布は時間とともに広がり続け、リスクは増大し続けます。長期投資でリスクが減る事はありません。

平均リターンがたとえプラスでも、多くの投資家は儲けられない

シミュレーションは、金融商品の平均リターンがプラスといえど、多くの投資家が損をする事がある事を示しています。時間推移を見れば、Mean(平均)の値は確かに増え続けています。にもかからず、(4倍以上に資産を増やす可能性がある一方で、)資産を減らすパターンが多く散見されます。

長期的なリターンは、リターンの平均値に近づくという主張がありますが、これは誤りです。負けている投資家は負け続けます。多くの投資家は負けて元本を失い、平均値に戻れなくなくなります。この性質は逆正弦定理という名前で広く知られています。

「長期投資でリスクが減る」という主張は何が間違っているか

ここまで読めば、長期投資でリスクが減らない事は明らかでしょう。では世間一般の「長期投資でリスクが減る」という主張は何が誤りなのでしょうか。

多くの場合、それらの誤った主張は「1年あたりのリスク」を提示します。「1年あたりのリスク」は「リスク」とは異なる概念です。そして長期投資家の興味は、長期運用におけるリスクであり、リターンである事を考慮すれば、「1年あたりのリスク」は役立たない、無意味な指標です。にもかかわらず、結論部分の「長期投資で報われる」という甘言は魅力的ですので、長期投資でリスクが減るという考えは誤りにもかかわらず、広く支持されています。

シミュレーションのソースコード

私個人の覚書を兼ね、コードを掲載しておきます。ROOTのgRandom->Gaus関数で乱数生成し、coutで取得、PAWマクロでプロットしました。

企業物価指数(CGPI)の2016年12月までの推移 減収増益企業に要注意!?

企業物価指数は企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数です。記事投稿時点で2016年12月の速報値までが算出され公開されています。直近の企業物価は上昇しつつあります。投資家は、今まで物価安の恩恵を受けた減収増益企業の動向に注意を向ける必要があります。

企業物価指数

どのような指数か?

企業物価指数は企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数です。英語ではCorporate Goods Price Indexで、頭文字をとりCGPIとも呼ばれます。

企業物価指数(CGPI) マネー百科

2016年12月(速報値)までの推移


企業物価指数(2016年12月速報) 日本銀行

2016年は物価安が進行していました。原油安に代表される世界的な物価安(デフレ)を輸入する形で、国内の企業物価指数は低い水準で推移していました。

ところが状況が変わりつつあります。米大統領選後の2016年11月・12月はトランプノミクスによる円安が進行しました。これにより直近で円ベースでの輸出物価(中央グラフ)・輸入物価(右グラフ)が上昇しています。これに引っ張れれる形で国内企業物価(左グラフ)も上昇しています。

今後は減収増益企業に要注意

ところで直近の決算短信では減収増益企業が目立ちます。

多くの企業は「厳しい環境ながらコスト削減に尽力し増収を確保した」という報告をしていますが、実態は世界的な物価安による棚ボタ増収の寄与が大きいと分かります。直近の円安で企業物価が上昇しつつありますので、本当は尽力していない企業は化けの皮が剥がれるでしょう。

投資家は減収増益企業に警戒するのが良さそうです。

腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index)2015結果

腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index)は、公務員と政治家がどの程度腐敗しているかを示す指数です。

指数は複数の機関の報告書を統計処理して算出されます。腐敗の実態は分からないものですので、「認識」されたかどうかに注目して指数は算出されます。

下図は2015年の結果です。濃い赤で塗られた国ほど汚職が多く、薄い黄色の国ほどクリーンです。

画像:Corruption Perceptions Index 2015

それっぽい結果になっています。貧しい国なので汚職が増えるのか、汚職が増えるから貧しいのか、因果関係までは分かりません。

また、特に新興国投資をする際は、不正のリスクにも注意しながら行いたいですね。

参考:腐敗認識指数(wikipedia)

2017年の世界10大リスク(ユーラシア・グループ)

ユーラシア・グループによる2017世界10大リスクが公開されていました。

2017世界10大リスク(ユーラシア・グループ)

このレポートは24ページにわたるpdfで少し長いですが、抜粋と所見が楽天証券のレポート(ハッサクのなるほど為替超入門)に掲載されていました。楽天証券のレポートは「2016世界10大リスク」との比較を踏まえ、動向の変化にも言及する分析です。

画像:第133回 2017年の世界10大リスク(ハッサクのなるほど為替超入門)

今年も昨年に引き続き、「米国」「欧州」「中国」の政治リスクからは目が離せません。