私のインデックス投資の状況と、その経緯、および課題について

私は個別銘柄投資に加えて、インデックス投資を行っています。2017年9月15日現在のインデックス・ファンド保有状況と、そこに至った経緯、および今後の課題について投稿します。

インデックスファンドの保有状況

運用資産に占めるインデックスファンドの比率

2017年9月15日現在、保有するリスク資産の内、16.7%をインデックスファンドで運用しています。それ以外の部分はほとんど個別株で、一部アクティブ・ファンドがあります。

以前のインデックファンドの比率はもっと高い水準でした。例えば私の2009年の投資ノートでは、インデックファンドへの投資比率は90%を超えていました。それが投資経験が長くなり、運用規模が大きくなるにつれて、インデックファンドを持たなくなりました。

個別株を新規で買い付けたり、保有していた個別株が値上がりした結果、インデックファンドへの投資比率は少なくなりました。かつてはコア&サテライト運用をしていたつもりでしたが、サテライト部分がどんどん大きくなり、今では逆転したという印象です。

保有する投資信託の一覧

私が保有する投資信託の一覧を下記のテーブルに示します。

銘柄 通貨 アセット
クラス
信託報酬 時価 構成比率
eMaxis Balance 8 Equal Assets/MUKAM JPY MixedAllocation 0.50% 575,419 37.5%
SBI Mid and Small Undervalued Growth Equity Fund – jrevive JPY Equity 1.70% 328,320 21.4%
SMTAM SMT Global Equity Index Open JPY Equity 0.50% 243,438 15.8%
SMTAM SMT Global REIT Index Open JPY Equity 0.55% 237,523 15.5%
SMTAM SMT Emerging Equity Index Open JPY Equity 0.60% 151,311 9.9%

ジェイリバイブを除き全てインデックスファンドで構成しています。なお、最新の保有状況(個別銘柄含む)は下記のページに公開しています。

ポートフォリオ Kapok&Fintech

上記のインデックス投資をした経緯

外国株はインデックス投資をする理由

私は特に、外国株をインデックス・ファンド経由で購入しています。

外国株は米国株・中国株を中心に個別銘柄投資も行ってはいますが、為替手数料売買手数料が割高で情報も上手に手に入りません。インデックス投資であれば、信託報酬に見合う程度の無難な投資成果を得られます。加えてヨーロッパ株のように、投資したくても難しい地域の株式にも、インデックス投資であれば出資が出来て、分散投資(通貨分散・地域分散)も可能になります。

日本株のように優待を受け取れない事による不利もありませんので、外国株はインデックス投資が中心になっています。

ETFを使わない理由

インデックス投資に外国のETFを使う手がありますが、私は国内の投資信託を使っています。外国のETFの購入する場合、為替手数料売買手数料がかかりますが、これらの手数料は国内の投資信託を使った方が割安だと考えています。

日本のETFを使う手もありますが、情報が少なく私にとってよく分からない金融商品なので買いません。

国内の個別株を増やした理由

国内資産の運用では、インデックスファンドではなく個別銘柄を重視しています。アクティブリターンを得られそうですし、株主優待の受け取りによる優待利回りを加味しています。更に個別株は投資信託と異なり、信託報酬がかからない点も魅力です。

勿論、常に個別株部門がインデックファンドの利回りに勝てるわけではありません。私の個別株はディフェンシブ銘柄が多いため、景気敏感株を多く含むインデックファンドには、景気上昇局面で置いて行かれます。特にアベノミクス絶頂期では、インデックファンドに多くを投資しなかった事が裏目に出ていました。

それ以降は、ある程度の株価下落が起こったタイミングでインデックファンドも買い付けるようにしています。株価が下落したかどうかは、PBRの推移やチャートを参考にしています。

今後のインデックス投資に向けての課題

信託報酬を下げる事

私のインデックス・ファンドの信託報酬は割高です。

インデックス・ファンドの運用成績は信託報酬と強く逆相関しており、割高な信託報酬は運用に不利です。信託報酬が引き下げられる事に期待したり、新しく低コストなインデックス・ファンドの運用初期に不安があったり、乗り換えのコスト(課税により複利効果が削がれる事、信託財産留保額の支払い)が嫌だったりして乗り換えを躊躇しています。ですが、さすがにそろそろ乗り換えねばと考えています。

リバランスをする事

気がつけばリバランスをせずに数年間ほったらかしにしてしまいますが、適切な利益確定や押し目買いの効果を期待し、たまにはリバランスを行わなければならないと考えています。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 様子見の後に購入予定です

バランス型インデックスファンドである「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」への投資を検討しています。これに関連して調べた事、考えた事をまとめます。すぐに購入はせず様子を見て、運用報告書が出た後の購入を考えています。

購入を検討する理由

私はeMAXISバランス(8資産均等型)を保有しています。このファンドは、保有する投資信託の中で、時価総額1位です。ただしこの投資信託の信託報酬は、年率税抜き0.5%です。購入した当時は随分と安かったのですが、最近ではもっと安い信託報酬で運用されているバランスファンドが複数あります。

いまやメタボなeMAXISバランス(8資産均等型)ではなく、スリムなeMAXISバランス(8資産均等型)での運用に切り替えるべきだと考え、この投資信託について調べました。以下、調べた事と所感を投稿します。

コスト

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、低コストで運用されている事が魅力です。

売買手数料

購入時手数料無料、信託財産留保額も無料です。

最近のインデックスファンドは、売買手数料は無料である事が普通です。とは言え、ありがたいものです。

信託報酬

信託報酬は税抜き0.22%です。

国内の追加型投資信託のバランスファンドとして、2017年5月現在最安値です。このように信託報酬が低く抑えられている分だけ、投資家のリターンを大きくできる事が期待できます。

信託報酬の内訳は下記のテーブルの通りです。ファンドの規模が500億円を超えると値下がりする構造ですが、500億円を超えるのはすぐには難しいでしょう。

委託会社 販売会社 受託会社 合計
0.1% 0.1% 0.02% 0.22%

アセット・アロケーション

8資産へ均等に投資

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、下図の通り8資産へ均等に投資します。

賛否両論の均等投資

均等投資には賛否両論あります。私は肯定的な意見を持っています。

否定派の流派の1つは、「市場が効率的だと信じている人々」です。8資産均等は、時価総額加重平均とは異なりますので、無用なリスクを取りリターンが少なくなると懸念する人がいます。確かにREITの構成比率は高すぎる気もします。ですが、私はそもそも市場は効率的だとは考えておらず、個別株も多く保有しています。そのため、個別株を含む資産全体の中での8資産均等型ファンドは、位置づけとして全く問題無いと考えています。

また、否定派の別の流派に「均等投資は、最適なアセット・アロケーションではないと考える人々」がいます。これは昔、「アセット・アロケーションは投資成果の8割を決める」という誤解が流行した名残でしょう。確かにアセット・アロケーションは投資成果を十分良く説明しますが、その投資成果に必要ではありません。本当に重要なのはリスク資産の比率であって、内訳ではありません。確かに均等投資は適当でいい加減に決めた比率ではありますが、決して悪くはないと考えています。

すぐには買わない

私はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)がとても良い仕様だと考えていますが、すぐには購入しないつもりです。すぐに買わない事には多くのメリットがあります。

ファンドの立ち上がりは不安定

一般的に時価総額の小さいファンドは不安定です。高コストになりがちですし、インデックスファンドもベンチマークへの追随が難しいです。eMAXISシリーズはマザーファンドの規模が大きいとはいえ、どれだけ安定しているのかを見た後に買っても遅くはありません。eMAXISバランス(8資産均等型)も、立ち上がり当初はキャッシュ過多で8資産への均等投資とは程遠いポートフォリオであったように記憶しています。

私は少なくとも、運用報告書が出てコストの様子が明らかになった後に購入します。

もっと低コストなファンドが出るかも

経験的にインデックスファンドは、乗り換えを控えた方が良いです。なぜなら、保有するインデックスファンドの信託報酬が値下がりする可能性がありますし、今後もっと低コストなファンドが出てくるかも知れません。例えばもしもiFree8資産バランスファンドの信託報酬が値下がりすれば、eMAXIS Slimを買う理由も無くなります。

乗り換えにはコストもかかります。信託財産留保額が設定されているインデックスファンドは少なくありません。また、含み益が利益として確定すれば課税対象となり、結果複利効果が削がれます。

このように、少し待ってから購入するのは、悪い選択ではないと考えています。

優秀なアクティブ投資家が、人々にインデックス投資を勧める理由

資産運用で実績を持つ優秀なアクティブ投資家ほど、他の投資家へはインデックス投資を推薦する傾向があります。例えばバフェットはS&P500を勧めています。

これには理由があります。以下に2つの理由を述べます。

インデックス投資を勧める理由

優秀なアクティブ投資家が、人々にインデックス投資を勧める事には「利他的な理由」と「利己的な理由」の2種類があります。

理由1(利他的) 投資家の成績分布を知っているため

優秀なアクティブ投資家は、多くの投資家が負ける事を知っています。ですから、それを避けられるように、投資初心者にインデックス投資を勧めます。

市場平均に対して優れた運用成績を残す者は、利益を元手に利益を得て、指数関数的に資産を増やします。その結果、市場平均から著しく良い成績を残します。それに対して、負けていく投資家は大多数であり、彼らは市場平均に届きません。

このように相場の参加者は、一部の大勝投資家と、多数の負組投資家で構成されているわけです。この事は、資産運用のように繰り返しを含むギャンブルでは、人々の運用成績は対数正規分布に近い形となっているはずだという考えからも導出できます。

多数の負組を察知している優秀なアクティブ投資家の人々による、投資初心者への有効なアドバイスは、市場平均への投資です。平均値であれば、下手なアクティブ投資よりは良い成績です。インデックス投資の推薦は、多くの人を幸せにするでしょう。

理由2(利己的) 優秀なアクティブ投資家の芽を摘むため

優秀なアクティブ投資家は、新しい世代の優秀なアクティブ投資家の芽を摘むために、投資初心者にインデックス投資を勧めます。

中途半端に賢く才能のある投資家をインデックス投資家にしてしまえば、その投資家の成長は終わりです。その投資家の成績は市場平均に留まる事でしょう。インデックス投資には、CAPMや効率的市場仮説を始めとした、中途半端に賢い人を惹きつける魅力が詰まっており、アクティブ投資から遠ざけるのに十分です。

このようにインデックス投資の推薦には、優秀な投資家が現れにくくなる効果があるわけです。

なお、このアドバイスにより、世界の投資家がインデックス投資家ばかりになる心配はありません。なぜなら誰からも何も学ばない、市場の肥やしとなる本当に愚かな投資家は、古今東西で沢山現れては消えていっています。そして市場平均を形成しています。

ハイエンドのアクティブ投資家は、自身の脅威となる可能性のあるアクティブ投資家の卵に対して、インデックス投資を勧めることで、自身の利権を守るのです。

まとめ

優秀なアクティブ投資家は、各種の目論見から人々にインデックス投資を勧めます。

このアドバイスは、平均未満の多くの人々にとっては有益です。その一方で平均以上になり得る才能のある人々にとっては有害です。

いずれにしても、インデックス投資を勧められるという事は、馬鹿にされている(平均値未満だと言われている)か、もしくは唆されている(成長機会を奪われている)かのどちらかなのです。

インデックスファンドの平均取得価額は下げた方が良いか?

Q. インデックスファンドの平均取得価額は下げた方が良いですか?

A. はい。平均取得価額は下げた方が良いです。

投資成果は買値と売値で決まります。そして買値は低い方が良いです。そのため、平均取得価額が下げられるのであれば、下げるべきだというのが私の意見です。

含み損であれば、安値で拾い平均取得価額を下げるべき

この質問をしてくるという事は、含み損の状態だと思います。含み損の状態であれば、追加で買い付けを行うと平均取得価額が下がります。インデックス投資で含み損の際は、資金の枯渇に注意しながら積極的にナンピン買いをしていくのが良いです。インデックス投資家は、株価指数が超長期的には上昇基調であり、帰納的に今後も上昇するという事を予想しています。このように長期的な上昇を想定している以上は、安値で拾わない手はありません。

なお、投資理論の上では今負けている人は、今後も負け続ける可能性が高くなります。これは逆正弦定理として知られています。含み損に危機感を持って下さい。それは預貯金にも劣るひどい投資成果です。だからこそ負けている状態では、負け続ける状況を避けるためにも、平均取得価額を下げ続けることで状況の打開を試みる姿勢が大切です。

含み益であれば、ルールと投資観に従い適切に買い増しを

ここからは余談です。

含み益でのインデックスファンドの買い増しは、含み損の場合よりも難しい問題です。なぜなら含み益で追加投資をすれば、平均取得価額が上がってしまいます。そこで、平均取得価額の上昇に見合う投資成果が期待できるのかどうかを判断する必要が発生します。

勿論、ドル・コスト平均法で愚直に積み立てると決めている場合や、売る時期にはもっと値上がりしていると考える極端な楽観主義者は、その運用ルールや投資観に従って買い増しをすれば良いです。

一方でそうでないインデックス投資家の場合は、例えば今が高値圏だと考えている状況においては、買い増しの停止やリバランス売りを検討するのも良いでしょう。

たとえ右肩上がり相場の環境下でも、平均取得価額を上げないでおけば勝率が高くなります。(ただしリスクが小さくなる分、リターン・期待値も小さくなります。)また、バブルの初期から買い増し・積み立てを続ければ、取り返しのつかない高値掴みになりますが、途中で積み立てを停止していれば痛手は少なくて済みます。

このように、高値で買わないという選択にも多くのメリットがあります。

まとめ

インデックスファンドの平均取得価額は下げた方が良いです。含み損の状態であれば買い増しをする事で、平均取得価額を下げる事ができます。

一方で含み益状態の場合は難しく、買い増しによって、平均取得価額が上がってしまいます。平均取得価額の上昇を許容するかどうかは、運用ルールや投資観次第です。買った方が良いと考えるのであれば買い、買わない方が良いと考えるのであれば買わなければ良いわけです。

多くのアクティブ投資家が市場平均に負ける理由

多くの市場参加者は、市場平均に負けると言われています。

アクティブ投資家の大多数が市場平均に負け、その負け分が少数の大勝ち投資家の利益になります。シミュレーションの結果を参考に、その仕組みを説明します。

シミュレーション

四半期での平均リターンが2%、リスク20%で資産運用を行う10,000人の投資家がいたとします。彼らがそれぞれ運用を行った時、何が起こるのかを乱数シミュレーションした結果が下記の動画です。

t は時間(運用した四半期の数)、横軸がリターン(何倍か)、ave.は全投資家の平均パフォーマンスで市場平均と呼ばれる値、maxは最も成績の良い投資家の運用パフォーマンス、loserは市場平均に負けた投資家の人数です。

多数が負け、少数が大勝ちする

アクティブ投資家の大多数が市場平均に負け、その負け分が少数の大勝ち投資家の利益になります。

多数の負組投資家

多くの投資家は市場平均に届きません。時間が経つにしたがって、市場平均に負ける投資家は増え続けます。シミュレーションでloserの人数が増え続ける事からも分かります。

四半期の市場平均に対する勝率は50%あるものの、負けて元本を減らした後に、勝っても元本が減った分だけ上昇相場の恩恵を享受できないため、ジリ貧になるわけです。負ければ市場平均に追いつけなくなりやすい事が、市場平均に負ける投資家が増える原因です。

少数の大勝ち投資家

多くの投資家が負ける一方で、一部の投資家は勝ち、増やした元本で更に勝ち、大儲けをします。シミュレーションでも最終的に20倍を超える運用成果を残す者が出てきます。一部の大勝ち投資家のリターンを支えているのは、先述した多くの負組み投資家です。

また、この一部の大勝ち投資家の成績は市場平均の値を引っ張り上げます。人数が少ないですが、成績の平均からの乖離があまりに大きいため、平均値をプラス側に寄せる影響が少なからずあります。

現実の市場参加者

実際の市場参加者の成績分布も、シミュレーションと概ね似た構造になっています。多くの市場参加者は市場平均に負け、少数の投資家が市場平均に対して大勝ちします。そうして市場平均は形成されます。

勿論、実際の市場平均は上がったり下がったりするものです。その影響までを考慮するならば、動画の平均値からの乖離をアクティブリターン(ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差:超過リターンとも呼ばれる)と読み替えて考えます。

参考・関連

対数正規分布

ちなみにこの成績分布は横軸を対数表記にすると、正規分布になります。そのためこの分布は、対数正規分布(log-normal distribution)と呼ばれています。

最頻値<中央値<平均値(期待値)は、対数正規分布の特徴の一つです。

対数正規分布 wikipedia

インデックス投資

多数の投資家に勝つ、勝率の高い資産運用を行ないたい場合はインデックス投資が有効です。市場平均(つまり時価総額加重平均型指数)に連動するタイプのインデックス・ファンドを保有すれば、比較的良い成績で資産運用を行う事が可能になります。

集計・表示のソースコード

シミュレーションを集計・表示する際に用いたコードを公開します。個別の投資家の成績が入ったbbb.txtのファイルをPAWで読み込み、プロットしました。