無リスク資産への投資


無リスク資産の活用は、資産運用の柔軟性と効率を向上させます。

無リスク資産は、将来的にリスク資産の購入に利用する事でポートフォリオ全体の成長性を高めます。無リスク資産を含めた資産全体の成長こそが、投資家にとって最も興味のある指標です。特に長期運用において、無リスク資産を活用しリスク資産のリスクの大小をコントロールする事は重要です。

無リスク資産とは?

無リスク資産(Risk-free Asset)は、元本が保証された安全資産を意味します。

収益が確定的な資産は、リスクが無いために「無リスク資産」と呼ばれます。通常無リスク資産は預貯金を指しますが、個人向け国債を事実上の無リスク資産と考える事もできます。

無リスク資産の対義語はリスク資産です。リスク資産の収益は不確定で、収益分布の広がり具合を表す指標であるリスク(標準偏差)が計算されます。

無リスク資産への投資

無リスク資産の利用は、有利な資産運用に繋がります。

無リスク資産を利用した、効率的フロンティアの拡張

無リスク資産は、有利なリスク・リターンの組み合わせを手に入れる際に活躍します。

例えばポートフォリオのリスク・リターンの組み合わせを考えます。もしもリスク資産のみでポートフォリオを構成するならば、望ましいリスク・リターンの組み合わせ(リスクが同じならばリターンが大きい、または、リターンが同じならばリスクが小さい)は、リスク・リターンダイアグラム上で曲線を描きます。この曲線は効率的フロンティア曲線と呼ばれます。

ところが、無リスク資産を組み合わせれば、この効率的フロンティアは拡張され、直線になります。下図はその様子です。無リスク資産のリスク・リターン(点 r_{f})から効率的フロンティア曲線へ引いた接線が、拡張された効率的フロンティアです。ここで r_{f} は、無リスク資産(Risk Free Asset)の金利を指しています。

この拡張された効率的フロンティアの直線は、資本市場線(Capital Market Line, CML)とも呼ばれています。

画像出典:ファンド定理(リンク切れ)

このように、無リスク資産の利用は、より有利なリスク・リターンの組み合わせを手に入れるために大変有用です。投資家が興味を持つべきは、資本市場線です。

投資元本確保による、高い成長性の享受

無リスク資産への投資はポートフォリオの成長性を高めます。

とは言え、成長の程度はパラメータに依存します。例えば今、リスク資産のリターンは、平均4%、標準偏差は22%、無リスク資産の金利は1%であったとして考えます。

下図は、この環境下での、リスク資産への投資比率別の期待成長率です。横軸がリスク資産への投資比率、縦軸が期待できる資産の成長率です。

リスク資産の組み入れ比率が高くなり、70%を超えてきたあたりから、ポートフォリオの成長性が悪くなる様子が見て取れます。リスク資産を持ちすぎた場合、それが大きく下落した場合に投資元本を失います。元本が小さくなった場合、その分それ以降の上昇相場の恩恵を享受できなくなります。このような過程から、リスク資産を大きく持つ資産運用は、資産の成長性が低くなります。

一方で、もしも無リスク資産を一定の比率で保有していた場合、それを投資元本として活用する事で投資家は再起が可能です。更にこの再起では、リスク資産が値下がりした局面で買い付けができる(安く買える)ため、成長性が高まります。

なお、無リスク資産とリスク資産との資産の移動は、リバランス(rebalance)や、ボラティリティの出し入れ(pumping)と呼ばれる投資テクニックとして知られています。

リスクを取り過ぎた運用を避けるために

リスクを取り過ぎた運用を避けるために、無リスク資産の活用が大切です。

リスクを取り過ぎた運用の弊害は、下記の通り、いくつかの記事で既に紹介しました。無リスク資産への投資によって、リスク資産のリスクの大小をコントロールできます。特に長期運用において、リスクのコントロールは重要です。

リスク資産への長期投資で必ず負ける場合とは?


プラスリターンの金融商品を長期運用すれば、長い目で見たら儲かりそうだと考えてしまう投資家は多くいます。ところが現実では、必ずしも儲かりません。特にリスクを取り過ぎた資産運用を長期間継続すれば、儲かるどころか必ず負ける事になってしまいます。

シミュレーション

ハイリスク・ハイリターンな金融商品

例えば四半期の平均リターン3%・リスク30%の金融商品を考えます。

この金融商品の年間でのリターン期待値は12%になります。ハイリスク・ハイリターンな金融商品に分類されます。過去記事リスクの取り過ぎは投資成果にどのように影響するか? レバレッジ運用はほどほどに?では、赤線で表現した金融商品に相当します。

金融商品の経時変化

下図は、その金融商品でのリターンの確率分布が、時間とともにどのように変化するかを示した乱数シミュレーションです。

動画中のave.は平均リターン、maxは最も運が良い投資家のリターンです。loserは、このリスク・リターンで運用する投資家が確率的に、10,000人中の何人が元本割れとなるかを示す数値です。

平均リターンは上がり、敗者は増える

この金融商品は、期中リターンがプラス(平均リターン3%)ですので、平均するとリターンは増えていきます。運が良いと大きく資産を増やす事ができ、最後には72倍とした投資家が現れます。

一方で敗者の数も時間とともに増加する傾向にあります。実はこの金融商品は、平均するとプラスリターンにもかかわらず、リスクが大きいために、長期投資をすれば必ず負ける(元本割れする)と言えます。(ε-δ論法で時間を長くとれば勝率をどこまでも小さくできます。)

なお、この金融商品の期待成長率を、ツールリスク資産の最適保有比率計算v2.0.xlsmを用いて数値計算したところ-1.8%とマイナス値が出てきました。

リスク過多の結果と対策

リスク過多の長期投資は必ず負ける

リスク過多の状態で長期投資を行うと、必ず負けます。

確かに良い投資(適切な運用)を行えば時間を味方にできるのですが、逆に悪い投資(不適切な運用)を行う際は時間は投資家の敵となるわけです。世間では「長期投資は良い事だ」という風潮がありますが、長期投資の良し悪しは運用手法抜きには語れません。

時間を味方にできるように、リスクを抑え、着実に成長できような手堅い資産運用を心がけたいものです。

リスクを減らす無リスク資産

リスクを減らした運用を行うためには、ポートフォリオに無リスク資産を組み入れる事が有効です。

無リスク資産の組み入れにより、ポートフォリオは安定化します。仮に恐慌が訪れてリスク資産が大きく減ったとしても、投資家は無リスク資産を投資元本として再起・復活が可能になります。

シミュレーションのソースコード

乱数は前回同様でROOTのgRandom->Gaus関数を利用し、PAWでプロットしました。

リスクの取り過ぎは投資成果にどのように影響するか? レバレッジ運用はほどほどに?


極端なレバレッジ運用等に起因するリスクの取り過ぎは、投資の勝率を引き下げる事で、投資成果に悪影響します。その様子を乱数シミュレーションで示しました。紹介します。

レバレッジ運用

少ない資本金で大きな取引をする事をレバレッジ運用と呼びます。

例えば四半期でリターン1%・リスク10%の金融商品があったとします。この金融商品を使った運用では理論上、2倍のレバレッジをかけると、リターン2%・リスク20%となり、3倍のレバレッジではリターン3%・リスク30%が実現します。

このようにレバレッジはリターンの期待値を引き上げます。一見すると素晴らしい仕組みです。ところがレバレッジをかけた運用は、リスクが大きくなった事で勝率が下がり、投資成果が期待できなくなります。

シミュレーション

下図は乱数シミュレーションです。リスク・リターン別に、リスク資産のリターン分布がどのように経時変化するかをプロットしました。

青:リターン1%(年利4%) リスク10%
緑:リターン2%(年利8%) リスク20%
赤:リターン3%(年利12%) リスク30%

横軸はリターン(倍)です。tは経った時間を示します。

高リスク運用で平均リターンは確かに上がる

プラスリターンの金融商品にレバレッジをかけ、高リスク運用すると、確かに平均リターンは大きくなります。シミュレーションでも平均値(Mean)は上がっています。

時間が経った箇所ではヒストグラムに収まらなくなってしまい正しい平均値が出ていませんが、実際には高いリスクは高い平均リターンを生み出します。この現象は、高リスク投資では大勝ちした少数の投資家が、全投資家のリターンの平均値を上方に牽引するために起こります。

高リスク運用では負けやすくなる

高リスクで資産運用を続けると、負けやすくなります。シミュレーションでも、最もリスクの高い赤線のグループが最も敗者が多く、緑、青はこの順に極端な敗者が少なくなっています。

高リスク投資では負けている投資家は負け続け、死屍累々となります。あっという間に負けます。そして一度負けた投資家が平均値へ復活する確率は極めて小さく、負ける投資家は増え続けます。

高リスク投資で大勝ちした少数の投資家の背後には、多数の負組投資家がいるのです。シミュレーションにおいて、年利12%に惹かれた赤組投資家の多くが、元本を半分以下に減らす様子は目に焼き付けておいて損はありません。

無難な運用をしたいのであれば、レバレッジをかけず、リスクを抑えた運用を行うのが良いでしょう。

まとめ

レバレッジ運用等による高リスクな運用を行えば、リターンの期待値が上がります。ところがそれは、一部の大勝投資家が期待値を引き上げただけであり、多くの投資家は負けて元本を失います。このようにリスクの取り過ぎは、投資の勝率を引き下げる事で、投資成果に悪影響します。無難な運用をしたいのであれば、レバレッジをかけず、リスクを抑えた資産運用を行うのが良いでしょう。

シミュレーションのソースコード

私個人の覚書を兼ね、コードを掲載しておきます。ROOTのgRandom->Gaus関数で乱数を生成し、coutで各人の資産推移を取得(ファイル名aaa.txtは1倍 bbb.txtが2倍 ccc.txtが3倍レバレッジ)、PAWマクロでプロットしました。

長期投資でリスクは減らない リスクはどう経時変化するか?何故「リスクが減る」という主張に騙されるのか?


長期投資でリスクが低減するという金融商品のセールストークがありますが、それは誤りです。運用期間が長くなるにしたがって、リスクは増える性質があります。

リスクがどのように増えるのかを、乱数シミュレーションによる動画を用いて説明します。

リスクとは?

資産運用の用語としてのリスクは、値動きの大きさを意味します。

例えばハイリスクな金融商品とは、大きく値上がりする可能性がある反面、大きく下落する可能性もある金融商品を指します。リスクは必ずしも価格下落の可能性を示す単語ではなく、値動きの大きさを示す指標として利用されます。

リスクはリターン分布の標準偏差で定量的に評価されます。多くの場合、リターン分布は過去の実績から取得します。そして今後もそのような値動きをするだろうと仮定し、将来の値動きの大きさの程度を推定する事になります。

リスク資産の長期保有シミュレーション

金融商品のパラメータ

シミュレーションでは、年間のリスクが20%、平均リターンが4%の金融商品を考えます。このリスク・リターンは、比較的強気な投資家が日本株の値動き特性として期待する値です。

この年間リスク・リターンは、四半期ではリスクは10%程度、リターンは1%程度に相当します。四半期ごとに値動きを観測し、4年間経過するまでのリターン分布を作成しました。

リターン分布の経時変化

動画は2種類です。上図は縦軸一定にした分布の広がり方を確認するため、下図は縦軸を調整しながら分布そのものの様子の詳細を確認するための資料です。横軸はリターンです。

最初の四半期でリターン分布は10%程度の広がりを持ち、時間の経過とともにリターン分布が拡大する様子を確認できます。下図右上のパラメータのmeanはリターンの平均値、RMSはroot mean squareの略で確率変数を二乗した値の平均値の平方根です。このRMSを資産運用におけるリスク値と考えて構いません。

リスクは増え続ける

シミュレーションから明らかなように、時間が経つにしたがってリターン分布は広がり続けます。RMSの値も一方的に大きくなります。長期投資では、リスクは拡大するのです。

時間が経つにつれ、相場が良い時は、増えた資産を元手にもっと多くの利益が出ます。逆に下落相場では資産が毀損し、将来の上昇相場のリターンの元手を失う事で損失が拡大します。このようなメカニズムで、リターン分布は時間とともに広がり続け、リスクは増大し続けます。長期投資でリスクが減る事はありません。

平均リターンがたとえプラスでも、多くの投資家は儲けられない

シミュレーションは、金融商品の平均リターンがプラスといえど、多くの投資家が損をする事がある事を示しています。時間推移を見れば、Mean(平均)の値は確かに増え続けています。にもかからず、(4倍以上に資産を増やす可能性がある一方で、)資産を減らすパターンが多く散見されます。

長期的なリターンは、リターンの平均値に近づくという主張がありますが、これは誤りです。負けている投資家は負け続けます。多くの投資家は負けて元本を失い、平均値に戻れなくなくなります。この性質は逆正弦定理という名前で広く知られています。

「長期投資でリスクが減る」という主張は何が間違っているか

ここまで読めば、長期投資でリスクが減らない事は明らかでしょう。では世間一般の「長期投資でリスクが減る」という主張は何が誤りなのでしょうか。

多くの場合、それらの誤った主張は「1年あたりのリスク」を提示します。「1年あたりのリスク」は「リスク」とは異なる概念です。そして長期投資家の興味は、長期運用におけるリスクであり、リターンである事を考慮すれば、「1年あたりのリスク」は役立たない、無意味な指標です。にもかかわらず、結論部分の「長期投資で報われる」という甘言は魅力的ですので、長期投資でリスクが減るという考えは誤りにもかかわらず、広く支持されています。

シミュレーションのソースコード

私個人の覚書を兼ね、コードを掲載しておきます。ROOTのgRandom->Gaus関数で乱数生成し、coutで取得、PAWマクロでプロットしました。

腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index)2015結果


腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index)は、公務員と政治家がどの程度腐敗しているかを示す指数です。

指数は複数の機関の報告書を統計処理して算出されます。腐敗の実態は分からないものですので、「認識」されたかどうかに注目して指数は算出されます。

下図は2015年の結果です。濃い赤で塗られた国ほど汚職が多く、薄い黄色の国ほどクリーンです。

画像:Corruption Perceptions Index 2015

それっぽい結果になっています。貧しい国なので汚職が増えるのか、汚職が増えるから貧しいのか、因果関係までは分かりません。

また、特に新興国投資をする際は、不正のリスクにも注意しながら行いたいですね。

参考:腐敗認識指数(wikipedia)

バフェット語録 世界で最も知られている大富豪の投資家は、何を考え資産を増やしたか?


ウォーレン・バフェットは、米国の著名な投資家・資産家です。バフェットの言葉は、資産運用の正しい手法について、多くの示唆を与えます。

バフェットの言葉を、語録としてこの記事にまとめました。英文の出典はWarren Buffett Quotesです。和訳はブログ主である私Kapokが行いました。

長期投資

誰かが座っている日陰

Someone is sitting in the shade today because someone planted a tree a long time ago.

今日日陰に誰か座っているのは、大昔に誰かが木を植えたからだ。

涼しげな木陰を提供してくれる木は、成長して利益を生み出す企業の象徴でしょうか。「先人を敬え」とも「遥か後世の利益を見据えろ」とも考えられる一文です。

いずれにしても木の成長のように、とても長い時間スケールで物事をとらえる視点の大切さが伝わってきます。

市場が閉じられたとしても良い

I never attempt to make money on the stock market. I buy on the assumption that they could close the market the next day and not reopen it for five years.

私は株式市場からお金を得ようと試みた事はない。明日から市場が閉じられて、5年後まで開かないという想定のもと、買っている

マネーゲームによる売買益で利益を上げるのではなく、企業の成長そのものを享受する事で利益を得る事を志向する、そんな意味の言葉だと考えられます。

選んだ銘柄を5年間ずっと持ち続けるためには、事業の長期的な発展性を見据える事が必要になりますが、その視野が大切だと考えている事も、うかがい知る事ができます。

保有期間

Our favorite holding period is forever.

私たちの好きな保有期間は、永遠です。

長く持つ事を志向し、それに耐えられるだけの厳選した銘柄での運用をすべきですね。

他者が貪欲な時に恐れ、恐れている時に強欲に

We simply attempt to be fearful when others are greedy and to be greedy only when others are fearful.

私たちはただ、他者たちが貪欲な時に恐れ、恐れる時にのみ貪欲になろうとしている。

楽観相場で慎重になり、悲観相場でのみ買い向かう姿勢について、バフェットが言及しています。

投資成果は買値と売値で決まります。皆が強欲になっている時に売れば高く売れます。皆が悲観している時に買えば安く買えます。

資産運用では、多くの人と反対の事をすると投資成果に繋がります。そのために、人々の相場観の観察をするのも良いかも知れません。

銘柄選択

普通の価格で素晴らしい会社を買う

It’s far better to buy a wonderful company at a fair price than a fair company at a wonderful price.

素晴らしい安値で普通の会社を買うよりも、素晴らしい会社を普通の値段で買う方が遥かに良い

普通の株を安値で拾うよりも、超優良企業の株を厳選したい、という一文です。慎重に慎重に選んだ銘柄に集中投資をし、短期的な割安さはあまり気にしないという投資哲学が窺えます。

値段と価値

Price is what you pay. Value is what you get.

値段はあなたが支払うもの、価値はあなたが得るもの

値段と価値との区別に言及しています。値段は株価という形で目に見えますが、目に見えにくい「価値」をいかに分析し算出するかが、株式個別銘柄を行う投資家にとって大切です。

時間は「素晴らしい会社」の友人だ

Time is the friend of the wonderful company, the enemy of the mediocre.

時間は「素晴らしい会社」の友人で、「二流の会社」の敵だ。

mediocre ・・・ 良くも悪くもない。二流の。

良い会社であれば時間と共に成長を続け、逆に二流の会社は、時代の変化に対応できずに衰退する様子を表現しています。

長期での投資を検討している、その会社に対して、時間は味方をするでしょうか。それとも敵になるでしょうか。そういう視点を持ち、投資判断をする事は大切ですね。

跨いで越せる1フィートのバーを探します

I don’t look to jump over 7-foot bars: I look around for 1-foot bars that I can step over.

私は7フィートのバーを、ジャンプして越えようとして見はしません。周りを見渡し、跨いで越せる1フィートのバーを探します。

foot ・・・ 長さの単位。30.48cmに相当。複数型はfeet。

look around for ・・・ ~を捜し求める、~を捜して辺りを見回す

難易度が高い事、リスクが高い事をするのは避け、着実に前進する事を薦めています。また、目の前の高いハードルだけを見ずに、周りを見渡すという冷静な視点の重要性を説いています。

もしもヒヤヒヤと保有株の決算跨ぎをしているのであれば、もっと世界の市場を見渡して、着実に儲かる株を探す方が良さそうです。「難易度が高い」と思った局面で、思い出したい一言です。

本日の投資家は、昨日の成長から利益は得られない

The investor of today does not profit from yesterday’s growth.

本日の投資家は、昨日の成長から利益は得られない。

過去に起こった事は、既に株価に織り込まれているために、そこから利益は得られません。過去の成長を調べるよりも、未来の成長を予測して投資判断をする方が賢明だということなのでしょう。

私も過去の事にこだわりすぎず、これからの未来についてを良く考え、予測をし、投資判断をしていきたいです。そうする事で頭の体操にもなりますし、きっと楽しいでしょう。

簡単なものを難しくするひねくれた人間

There seems to be some perverse human characteristic that likes to make easy things difficult.

簡単なものを難しくするのを好む、若干ひねくれた人間の特徴があるようです。

perverse ・・・ ひねくれた あまのじゃくの

難しくなっている事を見ても、実は簡単な事であるという主張です。

確かに企業分析をする場合も、抽象化・単純化をすれば、比較しやすくなります。例えば各種株価指数も、企業活動を単純化・数値化していますね。自分が分かるように咀嚼し、シンプルに考えて判断するのも良いかも知れません。

投資に限らず仕事でも、ちょっとした抽象化でシンプルに考えて、うまく判断できるように思考力を鍛えていきたいものです。

リスクマネジメント

お金を決して失うな

Rule No.1: Never lose money. Rule No.2: Never forget rule No.1.

ルール1:決してお金を失うな。ルール2:決してルール1を忘れるな。

損失を回避する重要性を、口を酸っぱくして述べています。リスク資産を運用する過程においても、損失の回避は資産の成長にとても重要です。お金を失わない、慎重な運用を心がけたいものです。

リスクは無知から

Risk comes from not knowing what you’re doing.
リスクは何をしているか分からない所からやってくる

日本でも「よく分からないものに投資をしてはいけない」と頻繁に言われていますが、投資をするならば良く調べ理解をする事が、思わぬ損失を避けるためには大切だという一文です。

リターンよりもリスクに焦点を当て、2000年頃のITバブルの局面でもハイテク株(よく分からない株)に手を出さなかったバフェットらしい言葉に見えます。

方舟を作る事

Predicting rain doesn’t count. Building arks does.

雨を予想する事は重要でない。方舟を作る事が重要だ。

市場が暴風雨に晒されても生き延びれるような資産運用が大切です。投資の元本が無くなれば、その後の成長が享受できません。

生活・習慣

習慣の鎖

The chains of habit are too light to be felt until they are too heavy to be broken.

習慣の鎖は、感じるのにはあまりに軽すぎます。壊すのに、とても骨が折れるようになるまで、気付きません。

平生の習慣についての言葉です。悪い習慣は自分では気付かないものですね。もしも悪い事に気づいたのであれば、早めに治す事を試みなければなりません。そうしないと治らなくなります。

良い投資は、良い習慣から生まれます。良い人生もまたそうでしょう。普段の習慣・生活には気を遣うべきです。

私も夜ふかしなど、悪い習慣だと思いつつ続けています。つい寝るのが遅くなるのですが、早寝はなかなか出来ません。早寝早起き出来るよう、気をつけていきます。

お金持ちになる事を疑わない

I always knew I was going to be rich. I don’t think I ever doubted it for a minute.

私はお金持ちになろうとしている事を、常に知っていた。1分たりとも、それを疑う事を考えなかった。

財産を築く人は、目標を高めに設定する傾向があります。勿論バフェットもその一人なのでしょう。

リスク資産は増えたり減ったりがありますが、減らさないための工夫を十分に行う事は大切です。資産が漸次増加するように、努力していきたいものです。

20年で得た名声を5分で失う

It takes 20 years to build a reputation and five minutes to ruin it. If you think about that, you’ll do things differently.

20年間で築いた名声は、5分で失う。もしその事を知っていれば、あなたは違った行動をするだろう。

立ち居振る舞いに関する言葉だと思いますが、文脈次第です。「資産を失うのは早いので慎重に運用せよ」という事を言っているのかも知れません。

あなたより優れた友人と付き合うのが良いでしょう

It’s better to hang out with people better than you. Pick out associates whose behavior is better than yours and you’ll drift in that direction.

あなたより優れた友人と付き合うのが良いでしょう。あなたより良い立ち居振る舞いをする仲間を選べば、あなたはその方向に行くでしょう。

hang out with ・・・ つきあう

優れた人々から良い影響を受けましょう。優れた人々は人に良い影響を与えます。

人の判断は、自分で決めたようで、必ずしもそうではありません。脳が判断という意思を生成した時にはもう、判断は決まっています。そしてこの判断は、環境や経験の影響を無意識にも受けています。だからこそ、望ましい人々を選び、良い影響を受けるように心がけたいものです。

勿論、投資に限った事ではありません。

2リスク資産ポートフォリオの特性に学ぶ、資産選択で重要な事柄


2種類のリスク資産と無リスク資産があれば、それぞれの保有比率を調整する事で、投資家はさまざまなリスク・リターンのポートフォリオを構築できるようになります。

投資家は最も有利なポートフォリオを利用したいと考えますが、「値動きの相関係数」「無リスク資産の金利」「リスク」「リターン」等のパラメーターの状況や変化によって、資産の最適な組み入れ比率は変化するものです。

この記事では、2リスク資産ポートフォリオに限定して、パラメーターの変化が最適なポートフォリオにどう影響するかを論じます。その上で、更に一般的な資産運用で重視すべき事柄についてポイントをまとめます。

2リスク資産ポートフォリオの特性

2リスク資産ポートフォリオは、2つのリスク資産で構成されるポートフォリオです。各資産の組み入れ比率によって、ポートフォリオのリスク・リターンの値は変化します。

最適な組み入れ比率は、リスクの割にリターンが大きくなる比率です。それは、シャープレシオが最大となる点と言い換える事ができます。最適な比率を考えるためには、各パラメータの変化が最適比率にどう影響するかを知っておく事が不可欠です。

以下に、各種パラメータが変化した場合に、最適比率がどう変わるかを動画でまとめました。

相関係数が変化した時

リスク資産同士の相関係数は、最適な保有比率に大きく影響します。

下図はA資産(リスク20%,リターン5%)とB資産(リスク10%,リターン1%)の相関係数が変化した際の、最適な保有比率の変化を図示しています。

correl-dif-two-asset-portfolio

図の確認方法

青の曲線は、2リスク資産のみを保有し、保有比率を変化させた時に実現できるリスク・リターンの組み合わせです。赤の直線は、2リスク資産と無リスク資産を利用して実現可能な最も有利なリスク・リターンの組み合わせで、資本市場線と呼ばれる直線です。

相関係数の変化による最適資産配分の変化

相関係数が大きい(1に近い)時は、低リスク・高リターンな方の金融商品を多く持つべきです。上図では相関係数が0.3までは、A資産だけを持つ(A資産100%保有)が最適でした。

一方で相関係数が小さくなる(-1に近くなる)にしたがって、B資産を組み入れた方が良いように変わってきます。資産同士の値動きの相関が小さい時や、逆相関の関係がある時は、不利な金融商品(高リスク・低リターンな金融商品)を多少組み入れた方が有利に運用できます。リスク分散の効果が大きくなるからです。

逆相関資産の組み入れが重要

2リスク資産の場合に限らず、一般的なポートフォリオ構築においても、他の資産との相関が低い金融商品を組み入れる事で、投資家は有利なリスク・リターンの組み合わせを手に入れられます。多くの資産の値動きと逆相関がある資産を組み入れれば、リバランスを通して運用資産の成長に貢献します。

無リスク資産の金利が変化した時

無リスク資産の金利も、最適な保有比率に影響します。

下図は、無リスク資産の金利を-1.5%から3.0%まで変化させた時の、A資産の最適保有比率の変化です。

riskfreereturn-dif-two-asset-portfolio

金利上昇で高リスク資産選好

金利が上昇するに従って、高リスク・高リターンであるA資産の組み入れ比率が増える事が分かります。

金利変化への対応

一般的な金利上昇局面でも、投資マネーはリスクを取ってでも高リターンな金融商品に向かいます。一方で低リターンな金融商品は、金利上昇局面では売られやすくなります。

逆に金利下落局面では、低リターンな金融商品の組入れで有利な運用できるようになります。そのため、場合によってはマイナス金利の中でさえ、債券が更に買われる事があります。

リスクが変化した時

リスクの変化は、保有比率に影響します。

下図は、A資産のリスクを変化させた時の、A資産の最適保有比率の変化です。

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リスク大→最適組み入れ比率が小さく

A資産のリスクが大きくなるにしたがって、A資産の最適保有比率は小さくなります。リスクを避けたほうが有利な運用ができるからです。

リスクの大小と最適組み入れ比率

一般的なポートフォリオ構築においても、(他の条件が同じであれば)リスクが大きな金融商品は少なめに、リスクが小さな金融商品は多めに持つのが望ましい選択です。

リターンが変化した時

リターンの変化は、保有比率に影響します。

下図は、A資産のリターンを変化させた時の、A資産の最適保有比率の変化です。

return-dif-two-asset-portfolio

リターン大→最適組み入れ比率が大きく

A資産のリターンが大きくなるにしたがって、A資産の最適保有比率は大きくなります。

リターンの大きな資産を多く保有する事

一般的なポートフォリオ構築においても、リターンが大きな金融商品を多く持つ事は大切です。

まとめ

2リスク資産ポートフォリオの特性から、一般的なポートフォリオ構築において大切な事柄が分かりました。

ポートフォリオ構築の際は、「他の資産との相関が低い資産を組み入れる」「金利の変化に対応する」「リスクの小さな金融商品を多く組み入れる」「リターンの大きな金融商品を多く組み入れる」という事が大切です。

実際にはこの4つのポイントは、矛盾して同時には成立できないかも知れません。現実的にはこれらのバランスを取りながら運用していく事になります。