優待銘柄の株価が下落しにくい理由とその影響

株主優待制度を設定している銘柄の株価は、少々業績が悪くても個人投資家の買いが入るために下落しにくい、という特徴があります。例えば日本マクドナルドホールディングス(2702.jp)の株価がファンダメンタルズ指標の割に高い事は有名です。

優待銘柄の株価が下がりにくい理由

個人投資家は優待銘柄を買うのが有利

優待制度は小口の投資家に有利な制度で、個人投資家は優待銘柄を買うのが有利であるため、優待銘柄の株価は個人投資家に買い支えられて下落しにくくなります。

例えば優待利回りが2%、配当利回りが2%の銘柄があったとします。この時、(優待を有利には受け取れない)大口の機関投資家が配当割引モデルによって出した株価と比べて、個人投資家が優待込みで将来受け取る品物(優待+配当)の価値を割り引いて導出した株価は2倍の値段になります。このように個人投資家にとって優待銘柄の現在価値は高く算出され、値下がりした優待銘柄を拾う(買う)のは、ある程度の合理的根拠があります。(勿論、優待制度は永遠に続くわけではなく、変更される事がありますので注意が必要です。)

そもそも優待銘柄の下げ余地は少ない

優待銘柄は既に割安で下げ余地の少ない銘柄が多い事は、株価が下がりにくい理由の1つでしょう。

企業が株主優待を設定するのは、商品の広告宣伝のためや、個人投資家に株を買ってもらい株主数を増やすため等、さまざまな目的がありますが、そもそも株価が割安に放置されている業種(特に小売・食品等)やディフェンシブ銘柄株主優待制度が実施されやすいです。そのため少々業績が悪くても、下げ余地の少なさから下げ止まる事があります。

優待銘柄の株価下げ止まりの弊害

買い時が訪れない

優待銘柄の株価が割高圏に放置されると、新規でその銘柄を買いたい投資家の買い時がなくなってしまいます。

投資信託への投資が不利になる

個人投資家は、(優待が設定された)個別銘柄を保有すれば株主優待を受け取れますが、投資信託へ投資すれば株主優待を受け取れません。更に上記の割引モデルの例のように優待制度は株価を大きく歪める可能性があるため、投資信託は優待制度によって割高になった株価を掴んで運用される以上、著しく不利な金融商品となります。国内株への投資は、投資信託を経由せずに直接個別銘柄に投資するのが良い可能性が高いです。