企業物価指数(CGPI)の2016年12月までの推移 減収増益企業に要注意!?

企業物価指数は企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数です。記事投稿時点で2016年12月の速報値までが算出され公開されています。直近の企業物価は上昇しつつあります。投資家は、今まで物価安の恩恵を受けた減収増益企業の動向に注意を向ける必要があります。

企業物価指数

どのような指数か?

企業物価指数は企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数です。英語ではCorporate Goods Price Indexで、頭文字をとりCGPIとも呼ばれます。

企業物価指数(CGPI) マネー百科

2016年12月(速報値)までの推移


企業物価指数(2016年12月速報) 日本銀行

2016年は物価安が進行していました。原油安に代表される世界的な物価安(デフレ)を輸入する形で、国内の企業物価指数は低い水準で推移していました。

ところが状況が変わりつつあります。米大統領選後の2016年11月・12月はトランプノミクスによる円安が進行しました。これにより直近で円ベースでの輸出物価(中央グラフ)・輸入物価(右グラフ)が上昇しています。これに引っ張れれる形で国内企業物価(左グラフ)も上昇しています。

今後は減収増益企業に要注意

ところで直近の決算短信では減収増益企業が目立ちます。

多くの企業は「厳しい環境ながらコスト削減に尽力し増収を確保した」という報告をしていますが、実態は世界的な物価安による棚ボタ増収の寄与が大きいと分かります。直近の円安で企業物価が上昇しつつありますので、本当は尽力していない企業は化けの皮が剥がれるでしょう。

投資家は減収増益企業に警戒するのが良さそうです。

米国債ショック(2011年)前後の米ドル/円為替チャート

米国債ショック(べいこくさいショック)は、2011年8月8日に発生した世界同時株安です。米国債のデフォルト懸念から、アメリカの格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P)が、2011年8月5日にアメリカの長期発行体格付けをAAAからAA+に格下げした事が発端です。

米国債ショック前後の米ドル/円為替チャートを作成しました。日銀為替介入の反動もあり、米国債ショックでは円高が進行しました。

米国債ショックとは?

債務が膨らむ米国で、米国債のデフォルトの懸念が出ました。

このデフォルト懸念は、債務上限引き上げ法(Budget Control Act of 2011)案の可決で、ようやく一旦払拭されました。法案は下院で2011年8月1日に可決、上院で2011年8月2日に可決され、オバマ大統領が直ちに法案に署名し成立しました。

ところがその後、8月5日にS&Pが米国債の格付けをAAAからAA+に格下げしました。安全資産とされていた米国債の信用が揺らいだ事で、翌営業日である8月8日に世界同時株安が発生しました。

米国債ショック前後の為替チャート

下図は、米国債ショック前後の米ドル/円為替チャートです。

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縦軸は1ドル何円かの為替相場です。横軸は「年/月/日」で、2011年6月15日から2011年11月2日までの期間を表示しています。

元データは株価データ倉庫から取得しました。

格下げ見通し

米国債格下げの見通しは、2011年7月まで遡ります。

2011年7月13日に、ムーディーズがアメリカの政府債務格付けを引き下げ方向で見直す事を発表、2011年7月15日にはS&Pが米国債を「クレジットウォッチ・ネガティブ」に指定しています。

既に1ドル80円を割る円高でしたが、この頃からリスク回避の円買い・円高が更に進みました。

米国債ショック(wikipedia)

デフォルト懸念の後退

米国債のデフォルトは回避されました。

2011年8月2日に上院が債務上限引き上げ法案を可決、オバマ大統領は直ちに法案に署名し成立しました。ここで一旦米国債のデフォルトは回避されました。

日銀為替介入

2011年8月4日、日銀為替介入を行い円安へ誘導しました。

前日に77.05円であった為替は8月4日には80.23円をつけるに到りました。およそ3円の円安です。

多くの投資家は、為替介入があるとしても8月5日までの金融政策決定会合の後に発表されると読んでいました。その目論見を外した8月4日の発表は効果的なサプライズとなりました。もしこの後に米国債の格下げが無ければ、円高トレンドは終わり、円安に行っていた事でしょう。

2011年8月4日 ほんとに為替介入が来た(爆走おてうブログ)

米国債格下げと米国債ショック

その後、米国債が格下げされました。

2011年8月5日(金)にS&Pが、アメリカの長期発行体格付けをAA+に、見通しを「ネガティブ」に格下げ2011年8月7日(日)には再びS&Pが、財政赤字が悪化すればさらに格下げすると警告しました。これを受け、2011年8月8日(月)に世界同時株安が発生しました。

為替はリスク回避の円買いが起こり円高が進行、日銀為替介入の前の水準に戻りました。2011年8月19日には、75.94円まで円高が進行しました。

レンジ相場と日銀為替介入・覆面介入

その後暫く76円から78円のレンジ相場が続きました。

2011年10月31日には再び75.34円を付けるまで円高が進行しましたが、日銀為替介入が行われ78円台まで円安に振れました。8兆722億円の巨額な円売りドル買いの介入であったようです。翌日2011年11月1日から4日にかけても覆面介入を行ったと、後日正式に発表されました。

その後は円安に振れていき、75.34円は米ドル/円為替相場の円の最高値の記録となりました。

為替介入とは?相場に与える影響と実施するタイミングのデータ一覧(FX初心者予備校)

日本銀行がゼロ金利政策を実施(2008年) その前後の日経平均株価チャート

2008年12月19日に、日銀は政策金利を0.3%から0.1%に引き下げました。その前後の日経平均株価チャートを作成・投稿します。

利下げ

2008年12月19日に、日銀は政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を0.2%引き下げ、0.1%とする事を発表しました。利下げは、公表後直ちに実施されました。

日経平均株価チャート

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

株価は一旦上がるも、その後下落へ

金利低下により、2009年1月は株高で始まります。ところがやはり、リーマン・ショックの金融危機と円高が日本経済に与える悪影響は大きく、その後株価は失速しました。2009年3月10日には終値で7,054.98円をつけ、終値ベースでのバブル後最安値を更新しました。

当時の株・為替

当時はリーマン・ショックによる未曾有の金融危機で騒がれた時代でした。その頃の株・為替について、下記の記事に詳細を記載しています。

当時の金融政策

当時の金融政策については、下記のリンク先の記事が詳しいです。

日本銀行がマイナス金利導入を決定(2016年) 前後の日経平均株価チャート

2016年1月29日(金)に日本銀行が、マイナス金利の導入を決定しました。当時の日経平均株価チャートを作成・投稿します。

日経平均株価チャート

下図は、マイナス金利導入の決定前後の日経平均株価チャートです。

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

マイナス金利導入決定

マイナス金利の導入が決定された1月29日の日経平均株価は、始値17,155.06円、高値17,638.93円、安値16,767.09円、終値17,518.3円となりました。高値から安値まで871.84円もある乱高下の相場となりました。

場中にマイナス金利が発表され、追加緩和と見た投資家が買い向かい、一時的に株価は高騰しました。ところがその後、マイナス金利が適用される部分が少なく、影響が小さいと明らかになり、一転して株は売られました。

この日発表されたマイナス金利は?

この日、日銀から発表された内容は次の通りです。日銀は金融機関から預かっている当座預金の一部の金利をマイナスに引き下げる事を決めました。日銀の金利は、基礎残高に対して0.1%・マクロ加算残高に対して0%・それ以外の部分に対してマイナス0.1%になります。

これらの区分の内訳・詳細は、下記のpdfファイルで閲覧できます。

翌営業日は高いも、その後は銀行株が売られて行く

翌営業日の2月1日の日経平均株価は、高値17,905.37円まで買われました。

その後は、マイナス金利による銀行の収益圧迫の懸念から、銀行株が売りを浴び、日経平均株価は下落を始めます。

原油価格主導相場へ

原油安による株価下落

その後は原油安に起因する円高などの外部要因が日本株の下落の要因となりました。

当時、先行きに不安を抱える投資家が、比較的安全な資産とされる円を買う動きを急速に強めていました。結果として約2週間で11円近い急激な円高が進んでいます。この円高による輸出企業の業績悪化の予測から、日本の主力株が売られました。

そして2月11日には銀行の信用不安を抱える欧州株式市場が総崩れしました。これらを受け、日経平均株価は2月12日には、安値14,865.77円をつけるに至りました。

原油高と押し目買い

その後、原油高と欧州・米国の株高や円安を受け、日経平均株価は上昇に転じます。割安と見た投資家の買い・買い戻しや、リバランス買いが更に株価を上昇させました。

マイナス金利 何故起こるか?どのような影響があるか?

マイナス金利は、金利が0%よりも低い水準にある状態です。つまり債券価格が値上がりし、将来受け取る利金と償還金の合計よりも高くなった状態を指します。

この状態は、中央銀行が金利をマイナスの値とする等の政策によって引き起こされます。マイナス金利の債券を買い償還時まで保有し続けると、元本割れを起こします。

マイナス金利とは?

通常の債券とマイナス金利の債券

マイナス金利は、債券価格が高騰する事で起こります。

通常の債券

通常の債券は下図のように、買い付け価格に対して、将来受け取る償還金と利金の合計金額が高く設定されています。これがプラス金利の状態です。

債券投資をする投資家は、投資期間に資金が拘束されてしまう対価として、多くの受け取り金を期待します。つまり、債券の金利はプラスである事が自然です。
通常の債券
↑通常の債券では、債券価格よりも受け取り金(償還金+利金)が高くなり、利回りがプラスの状態になっています。

マイナス金利の債券

一方でマイナス金利の債券は下図のように、債券価格が高騰し、買い付け金額よりも、将来受け取る償還金と利金の合計金額が低くなった状態です。

マイナス金利の債券に投資した投資家は、もしもこの債券を償還時まで保有すれば損をします。債券がマイナス金利になるまで買われる事は、通常は起こらない異常な事態です。
マイナス金利の債券
↑マイナス金利の債券では、債券価格よりも受け取り金(償還金+利金)が低くなり、利回りがマイナスの状態になっています。

マイナス金利は何故起こるか?

マイナス金利の状態は、中央銀行の政策や、マイナス金利でも買い付けを行う投資家によって引き起こされます。

中央銀行の政策によるマイナス金利

中央銀行が、当座預金の金利をマイナス値にしたり、国債を買い価格を暴騰させる事で、債券の金利はマイナス値となります。

当座預金の金利をマイナス値にする

例えば日本では、2016年1月29日に日本銀行が、金融機関から預かっている当座預金の一部の金利をマイナスに引き下げる事を決めました。日銀の金利は、基礎残高に対して0.1%・マクロ加算残高に対して0%・それ以外の部分に対してマイナス0.1%になります。

これらの区分の内訳・詳細は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入日本銀行)で閲覧できます。

日本国債を購入し、価格を高騰させる事でマイナス金利にする

日本銀行は国債を購入し、価格を高騰させる事でマイナス金利の状態を作ります。

再び上記の資料の文言ですが、「マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。」とあります。マネタリーベースは資金供給量の事です。日銀は国債を年80兆円購入する事により、お金を市場に流す予定です。

国債価格が上がれば、金利が下がりマイナス金利となります。

なお、これらマイナス金利政策の概要については、やはり日本銀行5分で読めるマイナス金利日本銀行)が詳しいです。

マイナス金利でも買い付けを行う投資家

マイナス金利でも買い向かう投資家により、債券価格の高騰と金利低下が進行する事があります。マイナス金利で買い向かう投資家の目論見には、債券の値上がり期待と通貨高(円高)期待の2種類があります。

債券の値上がり期待をしている投資家

今後も更なる債券価格高騰と金利低下の進行を予想している投資家は、マイナス金利でも買い付ける事が合理的です。より高値で売る事を目論めるからです。

通貨高(円高)を予想している外国人投資家

外国人投資家の中には、低金利でも通貨高(円高)となる事を予想していれば、マイナス金利で買い向かう事が合理的です。

マイナス金利によって仮に円建て資産が名目値で下げたとしても、通貨高によりカバーできるからです。

マイナス金利政策の各資産への影響

金利がマイナス値へと変化した事により、各種資産は値を動かしました。

債券価格の高騰・マイナス金利

債券価格は高騰し、マイナス金利となりました。

債券価格の高騰

国内債券ファンドの基準価格の推移は、債券価格が高騰した事を示しています。

債券インデックス・ファンドの基準価額推移

下図は、SMT 国内債券インデックス・オープン(モーニングスター)から取得した、国内債券インデックスファンドの基準価額(分配金込み/再投資)の推移です。期間2011/6/3〜2016/5/27の5年間のチャートです。
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この期間は、アベノミクスの金融緩和で国債が購入され高騰傾向にありますが、日本銀行がマイナス金利政策を発表した2016年1月29日以降にこの高騰に拍車がかかっています。

なぜファンドの基準価額が上がるのか?

金利が低下した局面では、既に流通している債券の利回りが高水準に見えるようになるため、魅力が増します。このため、それらの債券の買い手が増えます。結果として債券価格は上昇し、債券ファンドの基準価額は上昇していきます。

高値掴みの危険

敬虔な統計屋は、チャートから帰納的に国債への投資が低リスク・高リターンだと評価する事でしょう。ですが現実的・本質的には、マイナス金利の債券に投資妙味はありません。保有すれば減るからです。

日経平均株価が史上最高値38,957.44円をつけた1989年12月29日も、株は低リスク・高リターンだと評価されていました。我々は、これと同じ景色を見ています。マイナス金利政策により高騰した債券価格は、いつかは下落して元の水準に戻ると考えられます。

1989年のバブル絶頂期を含む株価チャート日経平均株価の超長期チャートに掲載していますので、参考としてご確認頂けます。

イールドカーブ

下図はイールドカーブで、2016年6月3日に日本-国債(jp.investing.com)から取得しました。
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イールドカーブは、残存期間が異なる複数の債券などにおける利回りの変化をグラフにしたものです。横軸が残存期間、縦軸が利回りです。

金利は残存期間が7年以下の国債で-0.22%〜-0.27%と、マイナス値で推移しています。

不動産価格の高騰

不動産価格も高騰しています。

下図は、東京カンテイ プレスリリース / 中古マンション価格 2016年5月26日から引用・取得した、三大都市圏および都府県 70㎡あたりの中古マンション価格の推移です。
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首都圏を中心に、不動産価格が不自然に高騰し推移している事が分かります。日本の人口分布を確認すれば分かる通り、現在少子高齢化が進行し、住宅需要(実需)は確実に減りつつあります。にもかからわず現在は、金利低下により投機的に住宅は買われています。

昨今では新聞のチラシ等で、「低金利ではローンが組みやすく、いま不動産は買い時です。」という不動産業者の営業の文言がありますが、「買い時である」と考えるのは早計です。

なぜなら、上記の通り低金利では不動産価格が高騰するため、不動産の購入は不利だと言えます。低金利で不動産を購入した者は、金利上昇局面に入った際に、ローンの負担の増加と不動産価格の下落とで、ダブルパンチの被害を受けます。

なお、2008年リーマン・ショックの発端となった米国サブプライムローン問題は、金利上昇と不動産価格の下落が引き金となりました。現在はリーマン・ショック前に似ています。日本版サブプライムローン危機は、現実味を帯びつつあります。

その他マイナス金利政策の影響

MMFの受付停止・償還

マイナス金利は、国内債券ファンドの1種で、国債等で運用するMMF(マネー・マネジメント・ファンド)の受付停止・償還を招きました。

MMFは、本来は元本保証が期待されている金融商品です。ところが、債券価格の上昇は債券利回りの急低下を招き、金利はマイナス圏に突入しています。利回りがマイナス値では、元本保証はできません。そのため、MMFは受付停止が相次ぐ事態になりました。

日本国債の保有者の変化

マイナス金利政策下で、日本国債の保有者は銀行から日銀に変化しました。

下図は、日銀と銀行の国債保有残高の推移です。毎日新聞のサイトのこちらから取得しました。

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保有により資産が目減りするマイナス金利の国債に魅力はなく、銀行が国債を売却し、日銀が購入するという構図が続いています。

行政の怠慢の誘発

国債がマイナス金利になれば、政府は低コストで国債を発行できるようになります。財政赤字の国家にとって、これは本来望ましい事のはずです。

ところが残念な事に、行政の怠慢・無駄遣いを誘発するため、長期的には悪影響が出てきます。2016年6月1日にも、消費増税延期等を通して財政赤字を悪化させる予定である事が発表されています。

安倍首相、消費増税の再延期を正式表明 19年10月に

まとめ

マイナス金利は、債券価格が高騰し、買い付け金額よりも、将来受け取る償還金と利金の合計金額が低くなった状態です。

マイナス金利の状態は、中央銀行の政策によって引き起こされます。日本においては、日本銀行が当座預金の金利をマイナス値にしたり、日本国債を購入し価格を高騰させる事でマイナス金利の状態を作っています。

2016年1月29日に日本銀行がマイナス金利政策を発表して以降、債券価格は上昇し、マイナス金利状態になりました。不動産価格の高騰にも拍車がかかっています。