バランスファンドの本質的なデメリット

バランスファンドの本質的なデメリットについて投稿します。

この記事では、最初にバランスファンドについて紹介します。次にバランスファンドの本質的なデメリットについて記述します。最後に、よくある筋違いな「バランスファンドのデメリット」についての反対意見とその根拠を述べる事で、バランスファンドのデメリットに対する考えを深めます。

バランスファンドについて

バランスファンドとは?

バランスファンドは、国内外の株式・債券といった複数のアセット・クラス(資産分類)に投資するタイプの金融商品です。

例外はありますが、典型的なバランスファンドは、目標となるアセット・アロケーション(資産配分)を決め、運用を行います。この運用思想は、「コンスタント・ミックス(CM)型のアセット・アロケーションを持つ」と言い換える事があります。

 

リバランスとその効果

バランスファンドは運用資産の配分が、目標とする資産配分から乖離すれば是正を行います。具体的には、相対的に高くなったアセットクラスを売り、安くなったアセットクラスを買います。この過程は「リバランス」と呼ばれます。

バランスファンドのCM型アセット・アロケーションは、「安くなったクラスを買う」ため、逆張り型の運用戦略です。金融商品が上がったり下がったりするレンジ相場で効果的です。

 

バランスファンドの本質的なデメリット

一方的な相場に弱い

レンジ相場で効果的なバランスファンドですが、その反面、一方的な相場では運用効率が下がります。

リバランスは安くなったクラスを買い増すため、「安くなったクラスが更に安くなる」場合に傷口を広げます。また、高くなったクラスを売るため、「高くなったクラスが更に高くなる」場合には享受できる値上がり益が限られます。

 

このデメリットが本質

このデメリットは、バランスファンドがリバランスを行いアセット・アロケーションを保守するという、バランスファンドの運用設計そのものに起因します。

また、このデメリットはアセット・アロケーションレベルの問題であり、マーケットの影響を大きく受け、運用成績に直結します。

以上の理由から、「一方的な相場に弱い」事は、バランスファンドの本質的なデメリットと言えます。

 

筋違いなバランスファンドのデメリットの指摘

バランスファンドは、アセット・アロケーションを真剣に考えるような、勤勉な投資家から批判される事があります。ところが往々にしてその指摘は筋違いです。誤った指摘の具体例を挙げてみます。

 

バランスファンドは高コストな金融商品である

その指摘は時代遅れです。最近では各資産バラで持つより割安なバランスファンドが増えました。

例えばeMAXISバランス(8資産均等型)の信託報酬(年率)は税抜き0.5%です。このバランスファンドのアセット・アロケーションをeMAXISのインデックスファンドを利用して構築した場合は、税抜き0.525%かかります。これらを比べれば、バランスファンドの方が低コストだと分かります。

更に、バランスファンドはリバランスのコストが割安です。各資産をバラで運用する場合、リバランスは運用益に税金がかかります。バランスファンドではファンド内でリバランスが行われるため、リバランスコストがかかりません。

厳密には支払いを回避したこのリバランスコストは結局、バランスファンド売却時に運用益として部分的には課税されます。とはいえ、リバランスコスト回避およびそれに起因する複利効果の観点で、バランスファンドでの運用は有利です。

 

バランスファンドのアセット・アロケーションは融通が効かず個人個人にフィットしない

個人個人のリスク許容度は多様ですが、バランスファンドの固定されたアセット・アロケーションはその要請を無視しているという指摘があります。この指摘は正しくありません。

リスクマネジメントをアセットアロケーションで行うべきという、考え方そのものが誤りです。リスクマネジメントはファンドと無リスク資産を組み合わせて行うべきです。無リスク資産の利用は、資本市場線上の点、すなわち効率的フロンティア曲線の左側のリスク・リターンの組み合わせを実現する事があります。

とはいえ、自前のアセット・アロケーションのシャープレシオが全てのバランスファンドのシャープレシオを上回るという自信または自信過剰(オーバーコンフィデンス)を持つならば、自前アセット・アロケーションでの運用が良いでしょう。

現実的にはアセット・クラス別リスク・リターン・各資産の相関の推定は難しい問題です。

 

バランスファンドの均等配分は、「頭が悪そうだ」

均等配分型バランスファンドに対する批判です。この無意味な批判は多く存在します。

この指摘は、印象論としては正しいですが、批判としては無意味です。投資手法の批判は印象論ではなく、パフォーマンスで評価されるべきです。

確かに猿がダーツを繰り返してアセットアロケーションを決めればそうなります。頭が悪そうだと言われれば否定できません。問題は、その猿によるバランスファンド運用成績に勝てるかどうかです。長期的にリバランスコストを加味した場合の比較が大切です。

 


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