インデックス投資が本質的にダメな4つの理由

この記事はパロディです。元ネタは、「バランスファンドが本質的にダメな4つの理由」です。元ネタでは、バランスファンドへの投資はせず、インデックス投信を組み合わせた運用を推奨しています。

ところがバランスファンドがダメな理由として挙げられている点は、すべてインデックス投資がダメな理由としても成立します。そこでパロディ記事を作成してみました。最後に補足と私の意見を述べます。

インデックス投資が本質的にダメな4つの理由

運用商品としてのインデックスファンドの可否については、世間的な専門家の間で賛否両論がある。筆者は明確に「否!」の立場なのだが、理由は以下の4つだ。

  1. リスクの大きさ・内容が把握しにくい
  2. リスクの大きさ・内容のコントロールが難しい
  3. コストが割高
  4. アセットアロケーションの特別な能力は誰にもない

 

リスクの大きさと内容を把握・コントロールしにくい

インデックスファンドに投資していて、そのファンドが何にそれぞれ幾ら投資しているか、把握している投資家は、はっきり言って少ないだろう。運用報告書を見れば把握できなくもないが、運用報告はせいぜい月次で、月中の変更は把握できないし、そもそも報告書をチェックする投資家は少数だ。

すると、インデックスファンド自体のリスクの大きさが把握できなくなるし、加えて、そのインデックスファンドを含めて、自分がどのくらいの大きさのリスクを取っていて、そのリスクの内容がどのようなものなのか、自分の運用の全体像についてはもっと把握しにくい。(補足1)

投資している運用商品が、あるインデックスファンド一つだけという方は稀だろう。

さらに、自分の運用資産の中にインデックスファンドが含まれていると、全体として、どの銘柄を幾ら持ちたいとして、リスクの大きさと内容をコントロールすることが難しくなる。インデックスファンドの中身が明らかで、資産配分の変更は行わないことが約束されていれば、コントロールが効くかもしれないが、難しい場合が多い。(補足2)

実は、先の「運用リスクの大きさ・内容の把握の困難」と「運用リスクの大きさ・内容のコントロールの困難」は、いずれも、1990年代の日本の企業年金が、主に信託銀行や生命保険会社の複数の会社に対して運用を委託してしまったことで、実際に陥った困難であった。

 

銘柄で買う方が確実に安いその点で「確実にダメな商品」

仮にあるインデックスファンドが、「電気機器・運送用機器」に30%、「銀行」に30%、「小売・卸売」に20%、「化学・医薬品」に20%投資しているとすれば、 4つのクラスそれぞれについて「銘柄で」それぞれのウェイトだけ投資する方が、総支払手数料を低く抑えることができる。(補足3)

この辺の事情を、筆者は、同じ中身の食事を調達するなら、弁当で買うよりも、単品のお総菜を買い集めた方が安くつく、あるいは「幕の内弁当は箱代が高い」といった比喩で説明することがある。もっとも、幕の内でも大量生産の弁当の場合、案外割安になることがあるかもしれないので、この説明を今後も続けていいのかについては、一度デパートの食料品売り場に出向いて確認する必要があろう。

しかし、金融商品の場合は、銘柄買いする方が確実に安い。特に個人投資家の場合は、国内株式にはネット証券で売買できる銘柄があるし、債券は低金利なのに高い運用管理手数料を取られる債券インデックスファンドを買うよりも個人向け国債(今なら、変動金利10年満期型をお薦めする)を買う方がはるかに有利だ。

同じ運用内容で実質的な手数料がより高い運用商品は「確実に悪い」。儲かる時の儲けは小さいし、損をする時の損は大きいので、買った時点でダメなのだ。金融の世界では、意思決定時点(結果論ではなく)の馬鹿さ加減が数量的に厳密に評価できる。この点で、インデックスファンドは「確実にダメな商品」なのだ。

 

アセットクラスの配分はプロの意見を取り入れたとしてもうまくいかない

いわゆるアセットアロケーションはたとえプロの意見を取り入れたとしてもうまくいかない(補足4)。はっきり言って、そのような分かりやすくてインパクトの大きな意思決定で確実に有利に立てる人はいない。

万一そのような人がいても、その能力が確かであればあるほど彼(彼女)は、その能力を他人のためには使わないはずだ。仮に、マーケットの先行きを他人よりも有利に読むことができるとするなら、その能力は、他人のためではなく、自分のために使うことが合理的である。

はっきり言おう。例えば、平均株価が上がる前に株式への投資比率を高めたり、その逆を行ったりすることで、タイミングの上で有利に立つことができる安定的に有効なノウハウは、残念ながら存在しない。

 

パロディ部分はここまでです。(補足5)


ここからは私の意見です。

 

補足

元記事との一致のために、やや抽象的になってしまった部分があります。以下で補足しておきます。

(補足1) インデックス投資では、自分の運用の全体像についての把握が難しいです。例えば中国関連株に何銘柄・どれくらいの比率で投資しているかを把握しているインデックス投資家はいないはずです。

(補足2) インデックス投信ポートフォリオは各銘柄の動向に加え、銘柄入れ替えや大型IPO等によって大きく変化することがあります。長期的には、同じインデックスでも中身が全くの別物になる事はしばしばあります。この事は、リスク特性の把握を困難にする一因になります。

(補足3) 長期投資をする場合、個別銘柄の運用コスト(売買手数料等)は、一般的なオープン投信の運用コスト(信託報酬等の累積)に比べて割安です。

(補足4) インデックス投資家は、インデックスファンドを選択的に利用し、アセット・アロケーションを構築、資産運用を行う事を前提にしています。なお、多くのインデックス投資家の成績は、猿がダーツ投げで選んだようなアセット・アロケーションのバランスファンドのパフォーマンスに負けると私は予測しています。

(補足5) 4つの理由とありますが、項目は3つしかありません。1つ目と2つ目が統合されています。これは引用元に倣っています。

 

どうしてこのパロディが成り立つか?

資産運用の柔軟性の設定は、運用手法によって選択できます。運用手法は自由度によって、下記のように、ある程度階層化されています。

  1. 個別銘柄でポートフォリオ構築+無リスク資産
  2. インデックスファンドでアセット・アロケーション構築+無リスク資産
  3. バランスファンド+無リスク資産

長期投資の場合は一般的に、

自由度 1 > 2 > 3
面白さ 1 > 2 > 3
コストの低さ 1 > 2 > 3
安定性 3 > 2 > 1
大儲けの可能性 1 > 2 > 3

といった所でしょうか。

元ネタの著者はバランスファンドに否定的で、インデックス投資を肯定しています。ですがその論理は、インデックス投資の否定と、個別銘柄投資の肯定に適用できます。運用階層をずらすだけですので、簡単です。

 

 


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インデックス投資が本質的にダメな4つの理由” への1件のコメント
  1. Tansney Gohn より:

    バランス型ファンドもアセアロに納得がいくなら悪い選択ではないですね。
    でも人間考えは変化するものです。
    アセアロに納得が行かなくなったときに困ります。
    トッピングで多少の調整は可能ですが、トッピングの方が大きくなったりしたらバラの方が良かったということになるでしょう。

    • Kapok より:

      > Tansney Gohnさん

      バランスファンドはとても良い金融商品だと思います。
      とはいえ、気になる点が増えれば別のファンドや銘柄の比率を増やすべきでしょうね。

  2. 山副耕一 より:

    賛成です。
    インデックスを推奨する方の多くはコストを理由としますが、個別株投資のコストがもっと安いことをなぜ言わないのでしょうか。
    追加で。
    ・インデックスはそもそも過去の動きから、リスクリターンを出していますが、これがどこまで今後利用できるのか?
    ・インデックスに成長を求める時、投資先の成長率が反映するのでしょうが、この点はほぼ言及されない。
    ・一般生活者が個別銘柄の選定(=企業価値と市場からの評価額との比較)を放棄をすることは致し方ないと思うが、金融のプロであるはずの、証券会社やファイナンシャルプランナーや経済評論家が率先して放棄することはダメである。

    以上も個人的には思っています。

    • Kapok より:

      > 山副耕一さん

      >> インデックスを推奨する方の多くはコストを理由としますが、個別株投資のコストがもっと安いことをなぜ言わないのでしょうか。

      ですね。売買手数料がまだ高かった時代に書かれた古典的投資教本の記述を鵜呑みにしているか、ネット証券の売買手数料の安さを知らないか、もしくは著しく小さな運用規模を想定しているかだと予想します。
       

      >> インデックスはそもそも過去の動きから、リスクリターンを出していますが、これがどこまで今後利用できるのか?
      >> インデックスに成長を求める時、投資先の成長率が反映するのでしょうが、この点はほぼ言及されない。

      インデックスは「よく分からないモノ」に見えることはありますね。
       

      >> 一般生活者が個別銘柄の選定(=企業価値と市場からの評価額との比較)を放棄をすることは致し方ないと思うが、金融のプロであるはずの、証券会社やファイナンシャルプランナーや経済評論家が率先して放棄することはダメである。

      プロであれば、その教養として個別株の事を知っておいて欲しいですね。

  3. 煙々 より:

    酷い話ですが、日本って平和だな~、みんな暇だな~~~って、思ってしまいました(笑
    投資手法の優劣を競うより、もっと大切なことを議論せずに、枝葉末節で侃々諤々したところで、ねぇ・・・と。

    投資って何のためにするんですか?ということを、一般的な投資家に問うてみたいかな。
    炎上商法が如く、暴論記事に、そこまで反応する必要性が感じられませんでした。

    • Kapok より:

      > 煙々さん

      お盆休みです。平和で暇ですね。

      投資手法の優劣、というかどこまで自分で手間をかけて運用するかについての議論も、資産が保証されるからこそ可能になります。平和な日本に感謝します。

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