マイナス金利で国内債券ファンドの基準価額はどうなるか?

金利低下局面では、国内債券ファンドの基準価額は上昇します。

金利が低下した局面では、既に流通している債券の利回りが高水準に見えるようになります。そのため、金融商品としての魅力が増し、買い手が増え、その結果値上がりします。

債券ファンドの基準価額は上昇

上昇例(チャートつき)

マイナス金利が発表された後の、債券ファンドの上昇を図示します。

下図は、SMT 国内債券インデックス・オープンの基準価額の推移です。このチャートはモーニングスター社の該当ページから取得しました。

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2016年1月5日〜2月4日にかけての基準価額の変化を表示しています。日銀がマイナス金利の導入を発表した29日を境として、基準価額が大きく上昇した様子が見て取れます。

一般的に債券ファンドの基準価額の変化は小さいですが、マイナス金利導入時は1〜2日で100円(1%)以上の大きな上昇となりました。

このように金利低下局面では、国内債券ファンドの基準価額は上昇します。

 

なぜ値上がりするのか?

金利が下がると債券は買われ、値上がりします。

金利が低下した局面では、既に流通している債券の利回りが高水準に見えるようになるため、魅力が増します。このため、それらの債券の買い手が増えます。結果として債券価格は上昇し、債券ファンドの基準価額は上昇していきます。

ちなみに債券価格が上がった時、利回りは低下します。債券を持っていた投資家は、その値上がりで得をします。一方でこれから債券を買おうとする投資家は、低い利回りしか享受できません。

 

繰り上げ償還の危機?

元本保証が期待されている債券ファンド

国内債券ファンドの1種で、国債等で運用するMMF(マネー・マネジメント・ファンド)は受付停止が相次いでいます。

MMFは、本来は元本保証が期待されている金融商品です。ところが、債券価格の上昇は債券利回りの急低下を招き、イールドカーブの一部はマイナス圏に突入しています。利回りがマイナス値では、元本保証はできません。そのため、MMFは受付停止が相次ぐ事態になりました。

今後もし景気が悪化し、日銀が更なる利下げをした場合は、運用が困難になるファンドが増えるはずです。状況次第ではMMFのみならず、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)の元本割れや受付停止が起こる可能性も出てきます。金利とファンドの運用動向について、注視が必要です。

 

元本を保証しない債券ファンド

先述のSMT 国内債券インデックス・オープン等、元本を保証しない債券ファンドについては、受付停止や繰り上げ償還は特には出ないと予想されます。これらのファンドは金利がプラスであろうとマイナスであろうと、信託報酬を受け取れさえすれば運用が可能だからです。

勿論、仮に償還されないとしても低金利水準下での新規投資の期待リターンは高くはないかも知れません。今後国内債券ファンドは、積極的には買いにくいと私は考えています。

 

マイナス金利で債券ファンドを買うか、売るか

債券ファンドを買うか、売るかは、投資家の相場観次第です。

 

金利低下を予想するならば買い増し

もし今後更なる金利低下と債券価格上昇を予想しているのであれば、債券ファンドを買い増します。

債券ファンドは更なる金利低下でもう一段の値上がりが期待できます。ファンドを保有し、その上昇益を享受する事を目論みます。

ただし、買った場合は必ず売らなければなりません。マイナス金利の債券は、償還時まで持ち続けると目減りしてしまうためです。金利低下と債券価格上昇が起こり、その時に売り抜けられるという自信がある場合に限り、債券の買い増しは適切な投資です。

 

これ以上は金利を下げられないと予想するならば売却

逆に、もしもこれ以上の金利低下が起こらないと予想している場合は、債券に高値が付いている今の内に、債券ファンドを売り払うのが良いでしょう。

マイナス金利の債券で構成される債券ファンドは、基準価額は時間とともに下落する事が予想されます。下落する前に売ってしまうのが合理的です。

更に、低金利では信託報酬がリターンを引き下げる影響も大きくなります。信託報酬の影響については、国内債券インデックスファンドを買ってはいけないに投稿しています。

 

よく分からないならばリバランス程度の利食い

金利動向が読めないと考えるならば、リバランス程度に利食いするのが適切です。

今後の金利動向の予想が難しい局面では、迂闊には動けません。その場合、高値になった分だけ債券ファンドを売る一方で、更なる金利低下に備え、ある程度は売らずに持っておきます。つまりアセット・アロケーションを保つ程度に、リバランスによる利食いをするわけです。


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マイナス金利で国内債券ファンドの基準価額はどうなるか?” への1件のコメント
  1. Tansney Gohn より:

    国内債券は、以前から持っていた人は利食いか リバランス売りですね。
    間違ってもいまから買い増しはしないほうが良いと思います。

  2. Kapok より:

    > Tansney Gohnさん

    普通は利食い・リバランス売りでしょうね。

    今の債券価格は、いくら何でも高すぎると思います。
    なので、私も「今から買わない方が良い」と考えています。

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