東日本大震災後の日経平均株価チャートおよび当時の株式運用・経済動向について

大規模自然災害である東日本大震災の後の株式動向・経済動向を、日経平均株価推移を確認しながら、詳しく述べていきます。

東日本大震災について

東日本大震災は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と、それに起因する津波被害、福島第一原子力発電所のメルトダウンによる放射能汚染等を総称する大規模災害です。

 

地震と津波

東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0、最大震度7(宮城県栗原市)を記録し、観測史上最大の地震になりました。太平洋海底で発生したこの地震は、海水を押し上げる事で津波を引き起こしました。津波は波高10mを超え、最大遡上高40.1mを記録する巨大津波となりました。

震災の死者は2012年3月11日までに15,786人を数えました。その90%以上は、津波による水死とされています。

 

原発事故

この津波は原発事故を招きました。

津波は東京電力福島第一原子力発電所を水没させ、電源喪失によりコントロールを失った事でメルトダウン・爆発しました。放射能汚染は広範囲におよびました。

 

サプライチェーンの分断と日本経済

また、これらの震災は、日本の製造業のサプライチェーンを分断する事で、日本経済に大きな悪影響を与えました。

震災の詳細は、東日本大震災(wikipedia)の記載が参考になります。

震災前後で、米ドル/円の為替相場は乱高下しました。為替の乱高下は、経済の混乱の要因となりました。詳細を東日本大震災前後における、米ドル/円の為替相場チャート 乱高下とその要因にまとめています。

 

震災後の日経平均株価と経済動向

日経平均株価チャート

下図は、東日本大震災後の日経平均株価チャートです。縦軸が日経平均株価です。横軸が年月日で、震災前日である2011年3月10日から、半月後の2011年4月1日までをプロットしています。

元データは、株価データ倉庫から取得しました。

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日経平均株価推移(短期)

震災前日・当日

震災前日(2011年3月10日)の終値は10,434.38円でした。震災は3月11日(金)のザラ場中(14時46分)に発生しました。比較的大きな地震だと判断した投資家が売り注文を出し、日経平均株価は10,254.43円の安値引けとなりました。3月11日の上ヒゲは以上の理由によるものです。

 

翌営業日・翌々営業日

3月12日(土)、3月13日(日)の間に、津波の被害が甚大だという事が明らかになりました。翌3月14日(月)は200円を超える下げである10,044.17円から始まりました。その後、福島第一原子力発電所の3号機がキノコ雲の発生を伴う大爆発をした事を受け、日経平均株価は下げ幅を拡大、9,620.49円(633.94円安 6.18%の下げ)で引けました。

更に翌3月15日(火)には4号機が爆発・炎上し、放射能汚染が広範囲に拡大しました。この日に東京都新宿区でも放射性物質の飛来が観測されました。これを受け日経平均株価は下げ幅を拡大し、安値8,227.63円をつけています。

この安値は、震災前3月10日終値と比べ、2,361.87円安(22.3%安)に相当します。わずか3営業日で日経平均株価はここまでの急落をしたわけです。地震をはじめとする大規模災害は株価下落要因です。

 

オプションの暴騰

この急激な値動きは、オプション市場において、1円プットを2,000倍の値段に釣り上げました。オプションの売り手の中から破産する者が続出し、証券会社は対応に追われる事になりました。

 

日経平均株価推移(長期)

サプライチェーン分断と、経済への影響

震災は日本の製造業のサプライチェーンを分断し、日本経済に大きな悪影響を与えました。東北地方でしか作成されていなかった部品の供給が滞り、自動車メーカーを中心とする複雑な製品を作成する製造業者は生産能力を失い、業績を悪化させました。

複雑な製品の中には、東北地方でしか作成されず、代替が効かない部品が含まれる可能性が高かったからです。もちろんメーカー側は事前にリスク分散に気を遣っていました。ところが、3次下請け、4次下請けなどの下流において、共通部品の利用によるリスク分散が効果を失っていた事が発覚しました。

震災の影響は広範囲かつ長期におよびました。

 

震災で上がった株

上記の通り多くの日本株は業績悪化が折り込まれ、株価が下がりました。その中で逆に暴騰した株もあります。

まず、多くの建設株は株価が上がりました。復興需要から業績向上が期待されたためです。銘柄によっては値がつかず、代わりに建設株ETFが、基準価額から上方乖離しながら、高値で買われる事態も起こりました。

典型的な震災関連銘柄は、地震復興関連銘柄その1 震災復興関連銘柄その2 が詳しいです。 

更に、上記の他、原発に代わる発電の需要から、風力発電を中心とする新エネルギーに関わるテーマ株も上昇しました。

このように、建設株と代替エネルギー関連株の上昇が目立ちましたが、物資の需要増から多くの小売株のファンダメンタルズが向上しました。そして小売株は地味に、長期的に値を上げました。

 

日経平均株価の抵抗線

震災前終値である日経平均株価10,434.38円は、テクニカル分析における抵抗線になりました。震災以降、日経平均株価は何度かこの値を超える事を目指し、跳ね返されました。

具体的に、日経平均株価は2011年5月2日に10,004.20円、7月8日に10,137.73円、7月22日に10,132.11円、2012年3月27日に10,255.15円をつけていますが、いずれもこの抵抗線を超えるには到りませんでした。

結局、日経平均株価が震災前終値を超えるのは、2013年1月4日の10,688.11円をつけるまで待つことになりました。

 

まとめ

東日本大震災は、地震・津波・放射能汚染により、製造業を中心に日本経済に大きな打撃を与えました。震災後に日経平均株価は急落し、震災前と比べ、3営業日で2,361.87円安(22.3%安)になりました。

その後日本経済は低迷を続け、震災前の日経平均株価終値10,434.38円は抵抗線になりました。この抵抗線は、2013年1月4日になり始めて突破されました。


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