LTCMショック時の米ドル/円 為替チャートが示す1998年10月の急激な円高について

LTCMショック時の米ドル/円為替チャートを作成しました。LTCMの破綻に伴う各種の円買いから、為替相場は4日間の間に20円以上もの急激な円高となりました。

LTCMショック時の為替

為替チャート

下図はLTCMショック時の為替チャートです。横軸が年月日で、1998年10月1日から1998年10月16日までの12営業日をプロットしています。縦軸が米ドル円為替相場で、1米ドルが何円に相当するかの推移です。元データは、株価データ倉庫から取得しています。
LTCMshock199810

急激な円高

1998年10月5日に136.05円をつけた為替ですが、その後急激な円高が進みました。10月9日には115.25円をつけています。わずか4日間の間に、為替は20円以上の急激な円高となりました。

これ程の円高は歴史的にも珍しい事件です。米ドル/円 月間騰落率分布を確認しても、1998年10月につけた−15%もの急激な円高は非常に目立ちます。

 

LTCMショックの背景

この事件に関連する項目を、以下にまとめておきます。

 

アジア通貨危機

1997年アジア通貨危機は、タイを震源とした金融危機です。当時固定相場制により実力から乖離した通貨高になっていた新興国通貨を、ヘッジファンドが売り崩したため、アジア通貨が暴落し金融危機を招きました。

詳細は、アジア通貨危機(iFinance)が詳しいです。

 

ロシア財政危機

アジア通貨危機は、1998年のロシア財政危機を招きました。ロシア財政は悪化し、1998年8月17日、ロシア国債は債務不履行(デフォルト)に陥りました。

詳細は、ロシア財政危機(Wikipedia)が詳しいです。

 

LTCM破綻

そしてロシア財政危機は、ロシア国債を買っていた米国のヘッジファンドLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)を破綻させました。

LTCM解体時に、LTCMが持っていた膨大な円キャリートレードのポジションが解消されました。この事で急激に円が買われ、円高になりました。

また、LTCM救済のために米国の金融機関の負担が増えました。そのため、米国金融不安が起こりドル売りが進んでいました。当時ドイツのマルクが買われていましたが、ドイツ連邦銀行が利下げを示唆したため、投資マネーは行き場を失いました。そしてこの投資マネーは、ちょうど金融不安が解消された日本円に集中し、円高が進みました。

このように、LTCM破綻に関係し、上記チャートの急激な円高が進みました。

LTCMについては、LTCM(Wikipedia)が詳しいです。当時の世界の概況は、■LTCMショック まとめが参考になります。

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