東日本大震災前後における、米ドル/円の為替相場チャート 乱高下とその要因

2011年の東日本大震災時の米ドル/円 為替チャートを作成しました。

震災後は為替が乱高下しました。震災直後は、各種思惑から為替が大きく円高に振れました。その後、日銀による為替介入により円安に戻りましたが、世界経済悪化から再び円高となりました。

東日本大震災後の為替相場

為替チャート

下図は震災前後の為替チャートです。

横軸は年月日、縦軸が為替です。2011年3月1日から2011年5月30日までをプロットしました。元データは株価データ倉庫から取得しています。

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※クリックで拡大します

 

為替変動とその要因

震災後は、為替相場が乱高下しました。為替変動の程度とその要因を以下にまとめます。

 

震災直後の円高

震災直後は、急激な円高になりました。

震災前日の3月10日、1ドル82.97円でしたが、わずか1週間後の3月17日には、1ドル76.82円まで円高・ドル安が進みました。この短期間に6.15円(7.4%)もの激しい円高が進みました。

円高要因として、下記が挙げられます。

  1. 被災企業が、工場復興のために、海外資産を円に換金するとの思惑
  2. 保険会社が、保険金支払いのために、海外で運用している資産を引き上げ、円に換金するとの思惑
  3. 生産性の低下による世界景気悪化を折込み、安全資産逃避のための円買い ※円は世界的にも安定した通貨であるため、世界経済が悪化すると買われる傾向が続いていました。
  4. 以上を踏まえた投機的な動き

 

日銀による為替介入と円安

ところが、その後為替は一転し、円安・ドル高に振れました。

そして2011年4月6日には1ドル85.52円を記録しました。これは、3月17日の値と比較すれば、実に8.7円(11.3%)もの下落(円安)です。

円安要因として、下記が挙げられます。

  1. 急激な円高を受け、日銀が為替介入
  2. 復興資材の輸入が増え、円売りが進むとの思惑
  3. 輸出企業の被災→生産減により、輸出企業の円買いが減るとの思惑
  4. 復興のための政府支出増による財政不安を理由とした、日本国債格下げ

 

海外要因により、再び円高

ところが、その後は再び円高・ドル安に振れていきます。

4月6日以降、米国債の格下げ見通しや、ギリシャを筆頭とした欧州の財政危機が顕著になりました。欧米から逃げた資金が、比較的健全なシステムを持つ日本円に集まり、円高が進行しました。

 

その他

所感

為替乱高下が起こると、運用している海外資産の価値が乱高下します。

東日本大震災直後の円高のように、急激に資産が目減りする事もあります。「1週間で7%もの変動が起こる事がある」というリスクを認識しておくことで、冷静・的確な投資判断ができるよう、心がけたいものです。

 

関連

震災後は、震災被害に起因する経済への悪影響が折り込まれ、日本株は株安となりました。詳細を、東日本大震災後の日経平均株価チャートおよび当時の株式運用・経済動向についてにまとめています。


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