書籍「カオスで挑む金融市場―ないようで必ずある規則性を探る (ブルーバックス)」を読みました。1996年に第1刷が出された古い本です。感想をいくつか書き留めておきます。
どのような本か?
カオスというテーマを軸に、金融市場と経済についての分析を中心に記述された書籍です。バタフライ効果・フラクタル次元など、かつて一世を風靡した単語が所々に散りばめられています。
先物・オプションについての考え方も書かれています。著者が東京大学経済学部卒のためか、文章の論理構造がガチガチしていて、読みごたえがあります。
内容とともに、著者の広範囲な知見が興味深い
内容は金融市場と経済が中心ですが、物理学や数学の話題(エントロピー等の熱力学や力学 非線形科学等)も豊富にあります。キーワードを拾い、検索してみるのも面白そうです。
同時に、この著者のように、私も多彩な記事を書けるように、努力したいと思いました。
第1刷が1996年にも関わらず、新鮮に感じる
この本は1996年に出されました。リーマン・ショック(2008年)が起こるより随分前の事になりますが、株価暴落について等、まるでリーマン・ショックを指しているかのような記述も少なからずありました。
現代ポートフォリオ理論についての言及があります。先物・オプションの是非についての話題もあります。「この話題は昔からあったのか」という新鮮な驚きを味わった箇所が多くありました。
この本を新しく感じるという事は、経済学や投資理論が進歩していないか、投資家が歴史からほとんど何も学んではいないか、勉強不足なのか分かりませんが、いずれにしても20年前の価値観に触れるという事は、現在の投資家の価値観に対して時間軸の厚みをもたらします。
この観点で、古い本だが読んで良かったと思いました。
リンク・参照
この記事は、下記のリンクの書籍を読んだ上で作成・投稿しました。