メイ英首相のEU離脱演説とトランプ氏の口先介入により円高進む


メイ英首相のEU離脱演説とトランプ氏の口先介入により円高が進行しています。

画像:米ドル/円 の詳細情報(みんなの外為 2017/1/18 1:39)

メイ英首相のEUからの完全離脱を明言した演説は、事前にある程度予測されていたとはいえ、リスクオフと円高を招きました。その後、議会の承認を通すという文言が安心材料となり、ポンドは一旦急回復しました。

ところが今後はトランプ氏が、ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)でのインタビューにて、「ドルが強過ぎるため、米企業は中国と競争できない」と言及しました。これによりドル売り圧力がかかり、再び円高が進行しました。

参考:

ドル円は安値圏での推移続く メイ演説は一服もトランプ氏の発言が重し(Yahoo!ファイナンス)

Trump Comments Send Dollar Reeling(The Wall Street Journal)

米国債ショック(2011年)前後の米ドル/円為替チャート


米国債ショック(べいこくさいショック)は、2011年8月8日に発生した世界同時株安です。米国債のデフォルト懸念から、アメリカの格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P)が、2011年8月5日にアメリカの長期発行体格付けをAAAからAA+に格下げした事が発端です。

米国債ショック前後の米ドル/円為替チャートを作成しました。日銀の為替介入の反動もあり、米国債ショックでは円高が進行しました。

米国債ショックとは?

債務が膨らむ米国で、米国債のデフォルトの懸念が出ました。

このデフォルト懸念は、債務上限引き上げ法(Budget Control Act of 2011)案の可決で、ようやく一旦払拭されました。法案は下院で2011年8月1日に可決、上院で2011年8月2日に可決され、オバマ大統領が直ちに法案に署名し成立しました。

ところがその後、8月5日にS&Pが米国債の格付けをAAAからAA+に格下げしました。安全資産とされていた米国債の信用が揺らいだ事で、翌営業日である8月8日に世界同時株安が発生しました。

米国債ショック前後の為替チャート

下図は、米国債ショック前後の米ドル/円為替チャートです。

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縦軸は1ドル何円かの為替相場です。横軸は「年/月/日」で、2011年6月15日から2011年11月2日までの期間を表示しています。

元データは株価データ倉庫から取得しました。

格下げ見通し

米国債格下げの見通しは、2011年7月まで遡ります。

2011年7月13日に、ムーディーズがアメリカの政府債務格付けを引き下げ方向で見直す事を発表、2011年7月15日にはS&Pが米国債を「クレジットウォッチ・ネガティブ」に指定しています。

既に1ドル80円を割る円高でしたが、この頃からリスク回避の円買い・円高が更に進みました。

米国債ショック(wikipedia)

デフォルト懸念の後退

米国債のデフォルトは回避されました。

2011年8月2日に上院が債務上限引き上げ法案を可決、オバマ大統領は直ちに法案に署名し成立しました。ここで一旦米国債のデフォルトは回避されました。

日銀為替介入

2011年8月4日、日銀が為替介入を行い円安へ誘導しました。

前日に77.05円であった為替は8月4日には80.23円をつけるに到りました。およそ3円の円安です。

多くの投資家は、為替介入があるとしても8月5日までの金融政策決定会合の後に発表されると読んでいました。その目論見を外した8月4日の発表は効果的なサプライズとなりました。もしこの後に米国債の格下げが無ければ、円高トレンドは終わり、円安に行っていた事でしょう。

2011年8月4日 ほんとに為替介入が来た(爆走おてうブログ)

米国債格下げと米国債ショック

その後、米国債が格下げされました。

2011年8月5日(金)にS&Pが、アメリカの長期発行体格付けをAA+に、見通しを「ネガティブ」に格下げ、2011年8月7日(日)には再びS&Pが、財政赤字が悪化すればさらに格下げすると警告しました。これを受け、2011年8月8日(月)に世界同時株安が発生しました。

為替はリスク回避の円買いが起こり円高が進行、日銀為替介入の前の水準に戻りました。2011年8月19日には、75.94円まで円高が進行しました。

レンジ相場と日銀為替介入・覆面介入

その後暫く76円から78円のレンジ相場が続きました。

2011年10月31日には再び75.34円を付けるまで円高が進行しましたが、日銀の為替介入が行われ78円台まで円安に振れました。8兆722億円の巨額な円売りドル買いの介入であったようです。翌日2011年11月1日から4日にかけても覆面介入を行ったと、後日正式に発表されました。

その後は円安に振れていき、75.34円は米ドル/円為替相場の円の最高値の記録となりました。

為替介入とは?相場に与える影響と実施するタイミングのデータ一覧(FX初心者予備校)

911アメリカ同時多発テロ事件前後の米ドル/円為替チャート


2001年9月11日にアメリカ合衆国内で、航空機等を用いた4つのテロ事件が、同時多発的に発生しました。当時の為替チャートを投稿します。

テロ事件前後の為替チャート

下図は、テロ事件前後の米ドル/円為替チャートです。

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

事件後の為替相場

事件直後はドル安が進行

テロ事件の混乱により、米国経済に悪影響が出る可能性が出てきたため、テロ事件後に為替はドル安(円高)に振れました。テロ事件前の2001年9月10日は1ドル121.03円でしたが、事件後にドルが売られ続け、9月20日には一時115.83円をつけるまで円高が進行しました。

その後、ドルは買い戻される

ただしその後は、米ドルは買い戻されました。経済への影響が限定的のようだと分かって来たためです。

参考:その他の指数

911テロ事件前後のダウ平均株価

米国では、911テロ事件を受けて株式取引が中止され、テロ事件後に初めて市場が開いたのは9月17日(月)となりました。この日ダウ平均株価は前営業日比-684.8ドル安(-7.13%安)の8920.7ドルで引けました。その後も下落を続け、9月21日(金)には8,062.3ドルをつけました。これはテロ前日の9月10日(月)の終値と比べれば、1,543.2ドル安(-16.1%)の水準です。テロ事件は明確なネガティブサプライズであり、米国株はこのように大きく売られる事になりました。

911テロ事件前後の日経平均株価

テロ事件翌日、日本の株式指数である日経平均株価は暴落しました。前日比では682.85円安、6.63%の下げです。この日、戦争・紛争への発展の可能性と、日本経済への影響が懸念されたため、売り注文が殺到しました。

東日本大震災(2011年) 米ドル/円為替チャート、および為替乱高下の要因について


東日本大震災(2011年)の後、為替は乱高下しました。当時の米ドル/円為替チャートを作成しました。為替変動の要因と共に投稿します。

東日本大震災

東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい、ひがしにっぽんだいしんさい)は、2011年(平成23年)3月11日に発生した大規模地震災害です。

地震による直接的な被害だけでなく、地震によって発生した巨大津波、および原発事故によって多大なる被害が出ました。

為替チャート

下図は当時の為替チャートです。

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

震災直後の円高

震災直後は、急激な円高になりました。

震災前日の3月10日、1ドル82.97円でしたが、わずか1週間後の3月17日には、1ドル76.24円まで円高・ドル安が進みました。この短期間に6.73円(8.1%)もの激しい円高が進みました。

普通、悪い事が起こった国の通貨は売られますが、日本の大規模な震災では逆に円高が進行する傾向があります。円高の要因として下記の項目が挙げられます。

  1. 保険会社が、保険金支払いのために、海外で運用している資産を引き上げ、円に換金するとの思惑
  2. 日本の経済活動の悪化により、輸出より先に輸入が減るとの予想
  3. 景気へ悪影響が世界的なものになるとの予想から、有事の円買い
  4. 以上を踏まえた投機的な円買い

その後の円安

その後為替は一転し、円安・ドル高に振れました。

そして2011年4月6日には1ドル85.52円を記録しました。これは、3月17日の値と比較すれば、実に9.28円(12.2%)もの下落(円安)です。

円安の要因として下記の項目が挙げられます。

  1. 急激な円高を受け、日銀が為替介入し円安へ誘導した事
  2. 復興資材を輸入するために、円売り・外貨買いが進むとの思惑
  3. 被災により自動車産業を中心とした輸出企業の生産減が起こったため、輸出で得た外貨を円に換金する動きが減るとの思惑
  4. 復興のための政府支出増による財政不安を理由とした、日本国債の格下げ

更にその後は、再び円高へ

4月6日以降は、再び円高が進行しました。

当時、米国債の格下げ見通しや、ギリシャを筆頭とした欧州の財政危機が顕著になりました。欧米から逃げた資金が、比較的健全なシステムを持つ日本円に集まり、円高が進行しました。

日本国債が格下げされたばかりですし、日本の状況は決して良くはありませんでした。それでも欧米よりはマシだと考える投資家が多くなった結果、円買いと円高が進行しました。

熊本地震(2016年)前後の米ドル/円為替チャート


熊本地震(くまもとじしん)は、2016年(平成28年)4月14日21時26分以降に熊本県と大分県で相次いで発生した地震です。当時の米ドル/円為替チャートを作成しました。

熊本地震

熊本地震は断続的に多数発生するタイプの地震でした。

最大震度7の前震が4月14日(木)21時26分に、同じく最大震度7の本震が4月16日(土)1時25分頃に発生しました。その他にも、震度6弱を超える地震を5回記録しています。

為替チャート

下図は、熊本地震前後の米ドル/円為替チャートです。

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

為替はどうだったか?

熊本地震で為替は、ほぼ無反応であったと言えます。

日銀の発表による円高

チャートではむしろ、4月28日(木)の円高が目立ちます。この日、緩和期待の中で日銀の現状維持発表を受けた、失望による株安・円高が進みました。

チャイナショック(2015年8月)前後の米ドル/円為替チャート 急激な円高進行とは?


2015年8月に、チャイナショックと呼ばれる中国を震源とした世界同時株安がありました。有事の円買いに加え、仕掛け的な円買いの動きにより、急激な円高が進行しました。

下図は、チャイナショック前後の米ドル/円為替チャートです。

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元データは株価データ倉庫から取得しました。

2015年8月24日は、122.014円から115.927円まで、6円以上の円高が進行しました。この急激な円高は、一部のFXトレーダーを破産に追い込みました。

Brexit(2016年)前後の米ドル/円為替チャート 円高はどう進行したか?


2016/6/23(木)に実施された英国の国民投票により、英国のEU離脱(Brexit)が決まりました。

これにより欧州延いては世界の経済の混乱と停滞が予想され、世界各国の株価が下落しました。有事の円買いから日本円に買いが入り、米ドルに対しても大きく円高が進行しました。

Brexit前後の米ドル/円為替チャートを投稿します。

Brexit前後の米ドル/円為替チャート

チャート

下図がBrexit前後の為替チャートです。

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データは株価データ倉庫から取得しました。

Brexit前

Brexit前週の6月13日から6月17日は、Brexitによる世界経済の悪化を懸念する投資家が多く、円高が進行しました。

Brexit直前の6月20日から6月23日にかけては、ブックメーカー(賭け業者)の倍率等の情報から、EU残留の可能性が高いという予想が主流になってきました。これを受けてBrexitのリスクが一時的に後退し、買い戻しの円安が進行しました。

Brexitの確定直後

2016/6/24(金)に国民投票の結果が明らかになり、Brexitが確定しました。

投資マネーは有事の円買いから日本円を買いました。結果として急激な円高が進行し、為替は乱高下しました。この日、米ドル/円は、始値106.345、高値106.797、安値97.424、終値102.246となっています。高値から安値まで、9.373円も動いた事になります。

為替を説明するのに欠かせない参考資料として、この日の各国株価動向についても触れておきます。Brexitの確定直前では、多くの投資家はEU残留を予想していました。そのため、EU離脱は特大のネガティブサプライズとなり、世界各国の株は大きく売られました。この日、1日で世界の株式時価総額は約3.3兆ドル(330兆円強)消失しました。

Brexitその後

その後7月8日までは円高基調が続きますが、7月8日(金)米国雇用統計の結果が非常に良かった事が相場の流れを変えました。

7月8日の雇用統計にて非農業部門雇用者数が前月比28.7万人増(予想18.0万人増)と発表され、非常に良い指標となった事で米ドルが買い戻されました。そして7月11日(月)以降はドル高・円安が進行します。

参考:米雇用統計 2016年7月8日の結果と解説(外為どっとコム)

Brexitの為替動向から何を学ぶか?

サプライズは為替を大きく動かします。そしてこの急激な円高は海外資産を大きく目減りさせ、かつ、日本の輸出企業の利益を削ぎ落とす事で、日本株の株安を招きます。

資産運用をする場合、相場の急激な変調に対しても対応できるよう、資産配分に余裕を持たせたいものです。