均等配分型アセット・アロケーションの採用の理論的な根拠

均等配分型アセット・アロケーションは、投資家にとって比較的馴染みある資産配分です。具体的に例えば、「無リスク資産:リスク資産=1:1」「内外株債の4資産均等」「eMAXISバランス(8資産均等) 」といったアセット・アロケーションは均等配分型と言えます。

この配分は、相場動向について有用な情報が無い、もしくは少ない時に有効です。そして比較的負けにくい構造をしています。この記事では最初にじゃんけんの戦略を挙げます。それを類推する形で均等配分型アセット・アロケーションの利用について考えます。

じゃんけんの均等戦略

資産配分よりも身近で、かつ似た構造を持つ問題として「じゃんけん」があります。

相手の手に関する情報が無い時に、最も有効な手の出し方は、グー・チョキ・パーをそれぞれ3分の1の確率でランダムに出すミックス戦法です。ミックス戦法は、たとえ相手が偏りのある手を出していても、負けやすくはなりません。

逆にこの戦法以外を採用する、つまり偏りのある手を出していれば、それが読まれている場合に負けやすくなってしまいます。

このように均等戦略は、負けにくい無難な手法です。

 

均等配分利用の根拠

予測しにくい相場で効果的

現実の資産運用では、じゃんけんと同様の事が起こります。

例えば、どのアセット・クラスが上昇するかについての予測の精度が、アセット・アロケーションの構築のためには不十分だという事態が発生します。そのような状況では、シンプルで分かりやすい均等配分型の選択が好まれます。

なぜなら均等配分の運用戦略を用いれば、じゃんけん同様に、負けにくくなるからです。

一方で均等配分では、極端に良い成果が期待できないというデメリットもあります。逆に、上がった資産クラスに集中的に賭けていた投資家であれば、輝かしい運用成果を上げられます。それと比べれば、均等配分で投資していた投資家は、物足りないと感じるかも知れません。

 

コンスタントミックスのリバランス効果

均等配分の投資では、リバランスの効果が得られます。

アセット・アロケーション(資産配分)を一定に保つ運用は、コンスタントミックス(CM)と呼ばれます。コンスタントミックスは、値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買うというリバランスと呼ばれる売買で保守されます。つまり「安く買って高く売る」という投資で利益を得るための基本原則を、システマティックに実践できます。

これは運用成果の向上に有効だとされています。特に値動きが大きい時に効果的です。この戦略はボラティリティの出し入れとも呼ばれています。

予測に関する情報が少ない時、リバランスの効果を最も享受できる手法は、均等配分です。

コンスタントミックスにはデメリットもあります。一つのクラスが一方的に上がり続けた場合は、それを売却をしてしまうために更なる上昇の利益を得にくくなります。逆に一方的に下がり続けた場合も、リバランスはその傷口を広げます。

 

資産成長の原資確保に有効

均等配分は、資産成長のための原資の確保に有効です。

資産運用において典型的な失敗は、運用の原資を失う事です。相場は数多くの退場者を出して来ましたが、失敗者に共通する運用継続ができなくなる理由は「原資の毀損」にあります。原資が毀損した場合、それより後の運用成果が期待できなくなります。0に何を掛けても0だからです。

均等配分は、集中配分と比べて原資の毀損の可能性が低くなります。ある部分が大きく下げたとしても、他の部分が残っている事があるからです。残っている部分があれば、それを元に資産増加を狙うことが出来ます。

このように均等配分は、資産成長の原資の確保にも有効です。均等配分は持続的な資産成長を実現するために、有利な方法の一つと言えます。

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均等配分型アセット・アロケーションの採用の理論的な根拠” への1件のコメント
  1. Tansney Gohn より:

    株指数でも大型株から小型株まで均等のものがありますが、この場合は総額比のものと比べて小型株効果が強くなるのではないかと思っています。

  2. こんな意見もあります
    小型株効果と上場廃止バイアス

  3. Tansney Gohn より:

    こんなのもありますね。

    ぶう@吉祥寺さんの記事
    米国では小~中型株がまさかの高リターン!!
    http://blog.livedoor.jp/buutaro1211/archives/1141280.html

  4. Kapok より:

    小型株効果は、いろいろな資料がありますね。相場によって結果は随分違いそうです。

    市場の効率性を信じる立場から出発すれば、小型株のリターンは流動性含む各種リスクの対価だという考えも出来てきます。

    ただ、やはりアクティブな個人投資家としては、爆益が狙える小型株をいくつか持っておきたいです。更に小型株は大型株と値動きが異なりますので、リスクの分散にも効果的です。

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