ランダム・ウォーク理論における「株価の値動きに関する事象の独立性」に対する反例

ランダム・ウォーク理論における「株価の値動きに関する事象の独立性」に対する反例

ランダム・ウォーク理論(Random Walk Theory)では、「株価の値動きはランダム・ウォークであり、過去の値動きとは独立な事象のため、株価予測は不可能である」と説明されます。

これに対して、主張の前提である「株価の独立性」が崩れる反例があります。この反例について紹介します。

概要

日経平均株価の値幅を考えます。

過去データを用いて、前日の値幅と当日の値幅との間に、明らかな相関がある事を示します。この相関を、「株価の値動きは独立で無い」事の根拠とします。

 

データと集計方法

集計では、1986/9/3から2015/4/17までの、7,105日間の日経平均株価の高値と安値のデータを使用します。値幅を下記のように定義し、前日の値幅と当日の値幅を比較します。

値幅=(高値-安値)÷安値

前日の値幅帯別に、当日の値幅の平均値をとります。この平均値の誤差には、RMS/√サンプル数 の値を利用します。

 

結果:前日値動きとの相関を示すグラフ

結果は下図になります。横軸が前日値幅、縦軸が当日の平均値幅です。

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明らかに値幅は、前日の値幅と関係しています。

 

上図が株価の独立性に対する反例となる理由

もしも株価動向が前日の値動きとは完全に独立な事象であるならば、前日の値幅によらず、当日値幅の平均値分布は一様分布になるはずです。

ところが上図は、前日の値動きが荒ければ次の日の日経平均株価も荒い値動きになり、穏やかであれば次の日も穏やかになりやすい、という傾向が読み取れます。

この事は、株価は前日の値動きに少なからず影響を受けており、ランダム・ウォークとは異なる動きをする事を示唆しています。

 

効率的市場仮説との関係

市場が利用可能な情報を瞬時に織り込むのであれば(市場が効率的であれば)、情報の影響は翌日には残りません。この考え方を効率的市場仮説と呼びます。

これに反して、上図は情報の影響が残って見えますので、この集計は「市場の効率性に対する反例」にもなっています。

(効率的市場仮説という「仮説」を「真実」だと考えている投資家は、かなり少ないとは思いますが。)

 

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